京都 デジタルでものづくり支援 個人・中小企業に新潮流

2016年03月24日

京都 デジタルでものづくり支援 個人・中小企業に新潮流

京都 デジタルでものづくり支援 個人・中小企業に新潮流

3Dプリンターなど安価で高性能な工作機械の普及を受け、個人や中小企業によるものづくりを支援する事業が京都で広がっている。工作機械をそろえた民間施設が京都市内で開業したほか、支援ベンチャーも相次ぎ生まれている。大手メーカーもものづくりの新たな潮流に注視する。

 ものづくりができるカフェなどを首都圏で展開しているロフトワーク(東京都)は昨年12月、京都市下京区に試作ができる共同作業スペース「マテリアル京都」を開設した。

 施設では共用机のほか、3Dプリンターやレーザー加工機などを有料で提供する。商品化に向けたアイデアづくりを支援するため、西陣織の生地や画像認識センサーなどの幅広い素材や製品もそろえている。

 製品構想を発表し合うイベントなども活発に開催している。運営担当者は「利用者同士の連携を促し、ここから新製品を生み出したい」と話す。

 学生ベンチャーのYOKOITO(京都市下京区)は、伝統産業関連業者や中小企業にデジタル工作機械を提供して生産性向上を支援する事業を展開している。2014年の設立後、西陣織や靴の職人らに織機の道具や靴づくり用の型を3Dプリンターで作る技術を供与してきた。

 中島佑太郎取締役は「低価格化が進む工作機械を活用して、手作業に頼る職人らの仕事を効率化し、新たなビジネスの創出につなげたい」と意気込む。

 昨年8月設立のダルマテックラボ(下京区)も、ものづくり系ベンチャーを対象に量産化のノウハウを教える講習会を京都市内で開催している。

 個人や中小企業などで活発化する新たなものづくりは新たなビジネスにつながるとみて、大手企業も関心を示している。

 ロームは、企業や個人の電子工作環境を改善するため、安価なコンピューター基板に加速度や気圧などのセンサーを簡単に追加できる製品や、スマートフォンと連動するメダル型センサー製品を相次いで発売した。LSI商品開発本部は「個人やベンチャー企業のものづくりから新しい市場が生まれる可能性があり、製品の提供を通じてビジネスチャンスをつかみたい」としている。



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