京都 外国人増えて「患者」も急増 困惑の病院 24時間通訳タブレット端末導入

米大手旅行雑誌「トラベル+レジャー」誌の観光ランキングで2年連続世界一となった国際観光都市・京都で、旅行中の外国人の急病対応が新たな課題となっている。訪れる外国人の国も人数も増えたことで、医療機関も多言語への対応が求められるようになっているからだ。なかには1年間で約60カ国の患者を診察した病院もあり、医療機関も深夜や早朝の急患に何とか対応しようと、タブレット端末を使った同時通訳システムを導入するなどして対策を取っている。

 京都市内で昨年、最も多く外国人の患者を診察した康生会武田病院(下京区)。外国人受診者は783件で、平成24年の314件から倍以上に急増。国籍は約60カ国に及び、窓口対応を含めた外国人対応件数は千件を超えた。

 国・地域別にみると、25年には(1)米国68件(2)オーストラリア55件(3)台湾50件(4)中国38件?の順だったが、昨年は(1)中国131件(2)オーストラリア90件(3)米国84件(4)台湾80件?と中国人患者が急増している。

まるで「体験目的」

 JR京都駅のすぐ北側という立地もあり、夜行バスなどで京都に到着したものの「気分が悪くなった」と診察に訪れるケースがあるほか、周辺のホテルから「発熱した人がいるので診てもらえるか」といった依頼も。「今、服用している薬と同じものがほしい」と来院する患者もいるが、「『医師の診断がなければ薬を処方できない』と説明しても日本の医療の仕組みを理解してもらえず、なかなか納得してもらえない」(武田病院)という。

 なかには「日本のMRI(磁気共鳴画像装置)で診てもらったら病気がみつかるかもしれない」「エックス線撮影をしてほしい」といった体験目的のような外国人もおり、対応に苦慮することもあるという。

タブレットで通訳

 これまでは英語のできる職員を配置したり、中国人看護師が応対したりするなどしてきたが、早朝や深夜の患者にも対応できるように、昨年8月から京都市中京区の「インデンコンサルティング」が手がける通訳サービス「スマイルコール」を導入。タブレット端末から呼び出すと画面に通訳者が表示され、リアルタイムで顔を見て話しながら相互通訳を受けられる仕組みで、受付で24時間、英語、中国語、韓国語に対応できるようになった。システムの導入で職員たちの間にも安心感が増しているという。

 今後は増加するスペイン語やポルトガル語圏の患者に対応するため、スペイン語での契約や、タブレットの台数を増やすことも検討している。