京都 イスラム教徒、京料理でおもてなし 豚肉やアルコール不使用

2016年03月19日

京都 イスラム教徒、京料理でおもてなし 豚肉やアルコール不使用

京都 イスラム教徒、京料理でおもてなし 豚肉やアルコール不使用

京都を訪れるイスラム教徒の観光客が増える中、イスラム教の教義を守った料理を安心して食べてもらおうと、京都市内の料理学校や飲食店の関係者らが「京都ハラールネットワーク協会」を設立した。イスラム教の教えでは、食べられる食材に制限があり、観光客が京料理を十分に食べられないケースがあるという。ハラール対応の京料理の提供などを通じてイスラム教徒へのおもてなし態勢を整える。

 ハラールはアラビア語で「合法」「許されている」を意味する。料理では、国や地域によってどの程度厳格に守るかは異なるが、豚肉やアルコールを使っていないことなどが代表的な例として挙げられる。

 協会は料理学校の講師や老舗料亭の役員、学識経験者らが設立した。6月にハラールに配慮した和食の料理教室を開き、ハラール対応の京料理をイスラム教徒の料理人と開発し、提供する店の拡大に努める。市内の料理店や土産店には成分表示を求め、有名な観光地やショッピングセンターに礼拝所の設置を要望する。市民とイスラム教徒との交流会も開くという。

 市によると、2014年に京都市を訪れた外国人宿泊客は約183万人で過去最多。そのうち中東圏と、イスラム教徒が多いマレーシア、インドネシアからは計約5万7300人で、13年より約2万1400人増えたという。

 事務局を置く中京区三条通柳馬場東入ルの京都料理学校でこのほど、協会設立記念総会を開いた。ハラール対応の和食も振る舞われ、京都市在住のイスラム教徒らが味わった。協会の嘉田良平代表理事(67)はあいさつで「20年の東京五輪では京都にも多くの観光客が来る。京都でイスラムの人たちが安心して楽しめるようにしたい」と話した。問い合わせは協会TEL075(221)8482。



kyoto00glo at 06:09|PermalinkComments(0)