京都 東日本震災5年、永住意向58% 京都・滋賀の避難者

2016年03月12日

京都 東日本震災5年、永住意向58% 京都・滋賀の避難者

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復興 ランタン

東日本大震災 311

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東日本大震災から11日で5年となるのを前に、京都新聞社が京都と滋賀に避難している人にアンケートした結果、避難先での永住意向を持つ人が58%いる一方、必要とする支援を三つ尋ねたところ、住宅問題を挙げる声が最多だったことが、10日までに分かった。来春で国や福島県が自主避難者への無償住宅提供を打ち切る中、帰郷を諦める人や「望まない帰郷」が増えている現状が浮かび上がり、京滋から息の長い支援が求められる。

 アンケートは2月中旬から、原則聞き取りで50人に実施。同じ形式で毎年実施しているが、震災1年目と同様、母子避難など別居を強いられている人が7割を占めた。

 不安や具体的な心配を記述で尋ねたところ、「公営住宅の退去が迫るが、子どもをまた転校させるのはつらい。家賃を払っても今と同じ所に住みたい」「ようやく慣れてきたのに子どもの環境をまた一から変えるのは大変」など、迫る退去への切実な声が目立った。

 一方で、避難せず福島にとどまった人との間で「分断を感じる」との回答も多く、「とげのある言い方をされる」「逃げた人とみられ、地元に帰れない」などの記述から、帰郷をためらう事情もうかがえる。

 生活のメドが立っていないとの回答が4割だった。東北などに別れて暮らす家族との交通費負担への支援を求める声も14人あった。震災5年を迎えるが、避難先で家族以外の相談相手がいるか尋ねたところ、「ほとんどいない」「まったくいない」との回答が計13人あり、京滋で周囲と孤立したままの世帯がある。

 京都府と滋賀県が把握している2月末の避難者総数は計886人(京都681人、滋賀205人)。昨年2月末は計1033人で、2012年をピークに減少傾向が続く。

 <避難者への住宅支援>大震災後、災害救助法に基づく「みなし応急仮設住宅」扱いで京都など被災県外に避難した人に公営住宅などが無償供与された。国や福島県は来年3月で、避難指示区域からの避難者と住宅損壊を除き、県内外の自主避難者への無償入居を打ち切る。その後の対策として、京都府と京都市は独自に「入居時から6年」に延長するが、震災1年目までに京都に避難した人が大多数で、延長期間は1年未満の人がほとんどとみられる。



kyoto00glo at 06:06|PermalinkComments(0)