京都 “究極うちわ”国際フェアに 京都の中学3年生、4年かけ考案

2016年03月04日

京都 “究極うちわ”国際フェアに 京都の中学3年生、4年かけ考案

京都 “究極うちわ”国際フェアに 京都の中学3年生、4年かけ考案

 うちわで快適な風を起こす研究を4年間続けてきた桃陵中(京都市伏見区)の3年、早川優希さん(15)が、5月に米国で開かれる国際的なコンテスト「インテル国際学生科学技術フェア」へ出場する。手作りの装置で実験を繰り返し、最も理想的なうちわの構造を考案した。中学生の出展は異例といい、早川さんは「驚いたけど、優勝を目指したい」と張り切っている。

■手作り装置で実験 先端しなり涼風

 66年続く国際科学研究コンテストで、75カ国1700人以上が参加し、「科学のオリンピック」とも称される。これまで日本では高校生が選出されていたが、国内コンテストの中学生部門で優勝し、中学レベルを超えた早川さんの独特の着眼点と綿密な実験・観察の手法が専門家に評価された。

 考案した「究極のうちわ」は、扇面の3分の2まで竹骨を組み、先端の3分の1はよくしなるようイネ科の植物の茎で組む。扇はカエデの種の形状で、上部から3分の2まで障子紙の裏面を貼るのが最適という。

 最初の3年間で最も効率よく風を送るための、重心の位置や竹骨の構造を研究。実験や観察の方法は試行錯誤の中で編み出した。風の広がりや奥行きを確かめるために、大きな紙に升目を書き、うちわでカエデの種を飛ばして落下点を記録した。手であおぐと強さが一定にならないため、家庭の設備を利用して動かす装置を手作りした。

 中3では山や高原に吹く風のような快適さを追求した。実際に高原に出向いて吹き流しを観察。うちわの風の流れが見えないため、着色した水の中でうちわを仰ぎ、水流を観察する手法を考案、設計に生かした。

 研究は、小6の夏に下敷きであおいでも、なぜうちわのように涼しい風が来ないのかと疑問に思ったのがきっかけで始めた。東日本大震災が起こり、節電が呼びかけられたのも動機になった。早川さんは「理科で身近な問題を解決できるのが楽しくて続けてきた。国際的に評価されることは、とてもうれしい」と話している。



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