京都 学生と企業協働、成果着々 グローカル人材センター発足3年

2016年02月28日

京都 学生と企業協働、成果着々 グローカル人材センター発足3年

京都 学生と企業協働、成果着々 グローカル人材センター発足3年

 企業や地域社会で活躍する学生を育成するNPO法人グローカル人材開発センター(京都市下京区)が発足から丸3年を迎え、具体的な成果が出始めた。学生と企業による協働プロジェクトの参加者は延べ800人に達し、活動をきっかけに地元中小企業に就職する学生も増えている。

 同センターはグローバルな視点とローカルを支える情熱を併せ持つ「グローカル人材」を育てるため、京都の経済団体と大学が2013年2月に立ち上げた。学生の課題解決力を養う教育を重視している。文部科学省から5年間で計2億5千万円の補助金を得た。

 事業の柱になっているのが、学生と京都企業をつなぐ協働プロジェクト。これまで漬物の老舗や酒造会社など約80社と連携し、学生と新たな広告宣伝や人材の採用、イベント企画などに取り組んだ。学生と地元の中堅・中小企業の接点をつくる好機でもあり、就業を促す狙いもある。

 今月は医療機器商社の三笑堂(南区)に学生4人が訪れ、就活生に配る自社PRのチラシ案を発表した。ファッション誌風に仕上げるなど斬新なデザインが目立ち、三笑堂の担当者は「学生たちは業界をよく研究している。学生の目線で表現したことに意味がある」と評価した。

 プロジェクトの参加者のうち、地元の中堅・中小企業に就職した学生は累計で20人。17年度までにプロジェクトを150件、参加学生を延べ1500人に伸ばす方針で、地元企業への就職者も計100人に増やす目標を掲げる。

 本年度は京都産業、京都府立、京都文教、佛教、龍谷の5大学と連携し、地域版の職能資格「グローカルプロジェクトマネジャー」を創設した。各大学の実践型科目などで一定の成績を残した学生に資格証を交付する。

 グローカル人材開発センター代表理事の榊田隆之京都信用金庫専務理事は「調査や発表を主体とする学習により、社会で自走する人材を育てる。幅広い中小企業との交流機会を提供し、学生の大手志向や雇用のミスマッチの是正につなげたい」と話している。




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