京都 学生映画、デルタ機で上映 立命大生制作、商談し契約結ぶ

立命館大の学生が制作したオムニバス映画「嵐電の街、ひと模様」(2013年)が3月から、米デルタ航空機内で上映される。後輩らが、映像のプロがしのぎを削る市場で海外のバイヤーと契約を結び、「作品の質の高さを見る人に感じてもらえたら」と期待する。学生映画が機内上映される例は珍しいという。

 近年、テレビ局などと共同で京都関連の映像コンテンツを海外の商談会に出展する京都市が、立命館大映像学部に参加を提案した。

 「嵐電の街、ひと模様」は、映画監督の中島貞夫さんの監修で2011、12年度に学生が作った。京福電鉄(嵐電)を登場させながら、「介護」「ホームレス」「孤独死」という社会問題を取り上げた3編からなる。

 14、15年と香港で開かれたアジア最大級の商談会に出展。制作した学生は卒業しており、後輩の学生2人と教員が英語でPRした。1年目は契約に至らなかったが、2年目は会場の別室で全編を上映し、宗教上の理由で暴力や性的描写を懸念する国の人にも問題がない点をアピールした。

 商談に臨んだ4年齋藤雄太さん(22)=北区=は、「有名作品も出展され、学生に見向きもしない人もいた。反面、学生作品という点に興味を持つ人もいた。京都の知名度も高かった」と振り返る。

 機内上映作品を扱う香港の会社が、学生の創造性を後押しする企画に共感し、昨年11月に販売代理契約が成立した。同社の働きで、デルタ航空機のエグゼクティブクラスで3月から1年間、上映プログラムに加えられることが決まった。京都市観光MICE推進室は、「学生映画が機内上映される事例は聞いたことがない」とする。

 吉報を受け、制作に携わった学生も喜んでいるという。齋藤さんは今春、映像関連の職に就く。「作品を売る視点を知り、観客にとっての面白さをより意識するようになった。この経験を今後に生かしたい」と話している。