京都 高齢者宅に若者下宿のススメ 京都府、孤立防止狙う

2016年02月23日

京都 高齢者宅に若者下宿のススメ 京都府、孤立防止狙う

京都 高齢者宅に若者下宿のススメ 京都府、孤立防止狙う

京都府は2016年度、高齢者が暮らす住宅の一室を若者に提供し、交流を図りながら同居する「次世代下宿」事業に着手する。同様の試みは欧州で始まり、日本でも東京などで行われている。府は、若者の府内定住や、高齢者の孤立防止にもつなげたい考え。16年度当初予算案に1400万円を計上し、年度内に10組のマッチングを目指す。

 次世代下宿は、異世代同居とも呼ばれる。府によると、1990年代に欧州で始まり、2003年の猛暑で、多くの独居高齢者が亡くなったことを機に広がった。日本でも、東京都や福井県などでNPOなどが取り組んでいる。

 府は同居により、高齢者の生活面の不安解消につなげるほか、若者が家賃を安く抑えられるなどのメリットを想定している。同居の在り方はお互いの希望によって異なるが、府が調査した他地域では、一緒に食卓を囲んだり、若者が力仕事を手伝ったりする事例があり、高齢者の家族からも「若い人が夜にいてくれるのは安心」との意見が出ているという。

 実際のマッチングは民間団体や企業が担い、府は若者や高齢者団体への呼び掛けのほか、同居の際に必要となる住宅改修費補助などでも支援する。今後、関心のある団体や企業に声を掛け、協議しながら具体的なシステムを検討していく。学生が多い京都市内で先行例を作り、最終的には府全域に広げていく。

 府高齢者健康福祉計画によると、府内で、独居を含む高齢者世帯は、10年前に比べて1・5倍に増え、15年時点で総世帯の25・3%を占めている。

 今後もさらに増加が見込まれることから、府住宅課は「若者と高齢者が住宅を介して支え合う仕組みを作りたい」としている。



kyoto00glo at 06:06|PermalinkComments(0)