京都伝統産業、新領域探る 異分野タッグ強化、工房増設

2016年02月22日

京都伝統産業、新領域探る 異分野タッグ強化、工房増設

京都伝統産業、新領域探る 異分野タッグ強化、工房増設


京都府は、西陣織や京焼・清水焼など伝統産業の若手職人と異分野の専門家を引き合わせ、洋装向けの新たな商品や、販路づくりにつなげる「クール京都職人工房」を府内4カ所で新設する。2015年度補正予算案と16年度当初予算案で計1億7800万円を計上した。デザイナーやインテリア関係者らの協力を得て、和を中心とする用途にとどまらない新分野への展開を後押しする。

 京都職人工房は12年度から京都リサーチパーク(京都市下京区)で取り組んでおり、これまでに竹工芸を生かした指輪などアクセサリーや、京友禅の金彩で絵柄を描いたコースターなどを生み出している。

 16年度に新たに増やす拠点は、西陣織など染織職人とファッション関係者が交流する「西陣」(上京区・堀川団地)、織物職人と洋装デザイナーによる「丹後」(京丹後市・丹後織物フェニックスセンター)、京焼・清水焼の職人と和食料理人が京料理の器を考案する「清水」(東山区・府立陶工高等技術専門校)、木工と陶磁器職人らが参加する「新光悦村」(南丹市)の4カ所。

 府は、伝統産業で働く20?40代の職人が年間約200人利用すると見込む。最長3年まで参加でき、さまざまな分野の専門家による月2回程度の講座を開くほか、職人同士が自由に交流できる場も設ける。試作や、関連する設備投資を資金支援し、首都圏の百貨店内に設ける常設販売スペースでのテスト販売も予定している。

 京都の伝統産業ではバブル崩壊後、業績の低迷が長引き、職人の高齢化と次世代の担い手の減少が著しいという。府染織・工芸課は「京都が培ってきた高い技術やデザインを新しい消費ニーズと結びつけ、ネット利用など新たな販売手法も学べる機会を増やすことで、伝統産業の革新を促したい」としている。



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