京都 製造業に中国減速の影 事業体制見直す動きも

 京都の大手製造業に中国経済の減速の影響がじわりと広がり始めた。2015年4-12月期の四半期決算で収益の減少や関連損失の計上が相次ぐとともに、現地の事業体制を見直す動きも出始めた。16年3月期決算の下押し圧力となり、先行きについても慎重な見方が強まっている。

 中国は、成長率が7%を下回る水準で成長を続ける「新常態」を打ち出しているが、市場規模が大きいだけに需要の減少は経済的な結びつきが強い日本経済を直撃する。

 一般消費財関連では、自動車関連部品は比較的堅調を維持しているが、スマートフォンが生産調整に入り、部品需要の落ち込みを招いている。

 オムロンは、中国でスマートフォン用のバックライトが低迷し、16年3月期の業績見通しを下方修正した。昨年10月までは増収予想だったが、6年ぶりの減収になる見通しで、悲願の連結売上高1兆円達成がまた一歩遠のいたと言える。日戸興史取締役は「事業構造の転換を急ぐ」とし、中国を含めて生産や人員の体制を再編する方針を明らかにした。

 京セラも16年3月期の連結売上高計画を昨年10月発表の1兆5300億円から500億円引き下げた。中国でスマートフォン向け部品が不調なためで、減収は4年ぶりとなる。山口悟郎社長は「中国市場の冷え込みで購買力が落ち、周辺の新興国にも波及している」と懸念を示した。

 中国での生産拠点を削減する企業も出ている。日新電機は、中国吉林省の配電盤生産子会社を5日に手放した。株式の5割超を保有していたが、中国人役員の親族に1億8200万円ですべて売却した。植野正常務は「過剰投資になっていると言われる石油や石炭、鉄鋼などの業界で配電機器の需要が減少していた上、現地企業との価格競争も厳しくなっていた」と話す。

 グンゼも昨年4?12月期決算で、収益性が低下した中国の電子部品子会社の生産設備を対象に13億円を減損処理した。経営環境の悪化が要因という。

 川重冷熱工業も中国河北省の合弁会社が15年度まで2年連続で赤字となり、関連損失1億2100万円を計上し、16年3月期予想も下方修正した。中国の汚職対策強化を背景に地方政府が公共工事に慎重になっている影響で、熱源向けのヒートポンプなどが不振という。同社は「昨年後半から回復しているが、中国経済そのものの状況が変わってきているため注意して見ている」と話す。

 ジーエス・ユアサコーポレーションは、中国天津市のニッケル水素電池製造子会社を清算し、同電池から撤退することを決めた。昨夏の大規模爆発事故で被害を受け、操業を停止していた工場だが、競争激化で採算が悪化していたという。売上高は約30億円だった。

 同志社大の村山裕三教授(経済安全保障)は「中国経済の先行きに対する不安が、不安定な為替や株価状況と相まって将来に向けた投資の姿勢にまで悪影響を与えると、京都、滋賀企業の中国での経済活動が中期的に停滞する可能性も否定できない」と指摘している。