京都 膵臓形成の一端解明 京大、糖尿病治療応用

2016年02月19日

京都 膵臓形成の一端解明 京大、糖尿病治療応用

京都 膵臓形成の一端解明 京大、糖尿病治療応用へ

インスリンなどを分泌する膵臓(すいぞう)の内分泌組織の正常な形成には、消化酵素を分泌する膵臓の外分泌組織が必要なことを、京都大iPS細胞研究所の川口義弥教授らが突き止めた。糖尿病治療のためにiPS細胞(人工多能性幹細胞)で膵臓の内分泌組織をつくる際、両方の組織を同時に作製する必要性を示唆するという。英科学誌サイエンティフィック・リポーツで18日、発表した。

 川口教授らが遺伝子操作で外分泌組織の極めて少ないマウスを作製したところ、内分泌組織の機能も影響を受け、インスリンの分泌が低下し糖尿病を発症していた。内分泌組織を調べると、出生前の段階から構造異常や細胞死が多かった。出生後は組織の増殖が悪く、インスリン分泌細胞の成熟は遅れた。

 実験結果は、内分泌組織の正常な形成には、外分泌組織の未知の因子が働きかける必要性があることを示すという。川口教授は「未知の因子を解明することで、機能的な膵臓組織の作製につながるはず」としている。



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