京都・東山三条の右折解禁 抜け道解消策に渋滞懸念も

2016年02月16日

京都・東山三条の右折解禁 抜け道解消策に渋滞懸念も

京都・東山三条の右折解禁 抜け道解消策に渋滞懸念も


京都府警は15日、京都市東山区の東大路通三条(東山三条)交差点の北行き右折禁止を解除した。東大路通の東側にある白川沿いの道路(通称・白川西筋)が「抜け道」となり、慢性的に多くの車が通行する問題を解消するための苦肉の策だ。8月までの措置だが、交差点に向かう北行き車線に右折専用レーンはなく、春の観光シーズンを前に東大路通の新たな渋滞が懸念されている。

 これまで、同交差点の北行きは、午前7時?午後9時は全車両が右折禁止、午前8時?午後9時は大型車が右左折禁止だった。祇園や四条通方面から蹴上方面へ向かう場合、交差点の約250メートル先にある仁王門通まで「回り道」すれば右折できるが、大半の車は交差点の南側で白川西筋に流れるという。

 府警と市が今年1月と2月に実施した調査では、1時間平均100台の車が通過した。幅員約3?4メートルの同筋は、タクシーや観光客の車などが頻繁に通り、歩行者が路肩に押しやられる事態になっていた。同筋は水辺の空間として住民や観光客らに親しまれており、地元の自治連合会は「風情が台無し。東山三条の北行右折禁止が一因」などとして2014年8月、同筋を含む一帯の通行量軽減を東山署に要望していた。

 そんな中、今年2月上旬、東大路通三条交差点の約300メートル南にある菊屋橋の架け替え工事が始まり、東大路通の一部で片側1車線に半減した。府警は、白川西筋の交通量減少とともに、車線減に伴う東大路通の混雑を回避するため、工事終了後の8月中旬まで、同交差点の右折禁止の解除を決定。大型を除く車両は終日、右折可能とした。

 東山署によると、初日は特に大きな混乱はなかったという。右折解禁について、住民団体「白川を創る会」の赤?盛久事務局長(73)は「要求は一定、くみ入れてもらえた。通行量の変化はまだ分からないが、(軽減に向けて)動き出したことは歓迎だ」と話す。

 一方、東大路通は毎年、観光シーズンの渋滞が常態化しており、右折レーンがない同交差点を起点に、右折待ちの車による一層の渋滞が予想される。結果的に白川西筋に車が流れ、通行量軽減につながらない可能性もあるという。

 府警交通規制課は「(東山三条の)恒久的な右折禁止解除への試金石として道路状況を見極めたい」としている。



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