京都 学習障害児の通級指導増加 京都、個性に応じ学ぶ

2016年02月15日

京都 学習障害児の通級指導増加 京都、個性に応じ学ぶ

京都 学習障害児の通級指導増加 京都、個性に応じ学ぶ

軽度の障害や学習の遅れがある小中学生が、補習やトレーニングを受ける通級指導教室のニーズが高まっている。発達障害への理解が広がったことを背景に、指導を受ける京都府内の児童・生徒は2014年度までの5年間で3割以上増えた。各市町村の教育委員会は教室をさらに増やす意向だが、国会で審議中の16年度予算案では加配教員の増員は少数にとどまり、見通しは立っていない。

 間仕切りされた小さな部屋に女性教員と小学5年男児が向き合っていた。机には漢字の部首を書いたかるたが並ぶ。読み札が指し示している部首を男児が正しく選び取ると、女性教員が「すごいね」とほめた。

 京都市南区の小学校で行われている通級指導の様子だ。男児は米映画監督スティーブン・スピルバーグさんが診断された学習障害「ディスレクシア」で、漢字の読み書きに困難がある。そのため週1回、特別支援教育に詳しい女性教員の指導で補習や認知機能の訓練を受けている。男児の母親は「表情が明るくなった。漢字を覚える努力もするようになった」と変化を喜ぶ。

 男児のように通級指導を受ける小中学生は増加傾向にある。府内では2014年度に3087人と09年度比で35・6%増えた。全国も同期間に55%増だ。中でも注意欠陥多動性障害(ADHD)が3倍、学習障害(LD)が2・5倍と発達障害の伸びが著しい。京都市教委総合育成支援課は「保護者や教員の間で発達障害への意識が高まり、早めに医師の診断を受けるようになったためだろう」と背景を説明する。

 市教委は発達障害のある小中学生を受け入れる通級指導教室の開設校を急ピッチで増やしており、15年度は67校とこの5年で倍増させた。ADHDとLDの診断を受けた伏見区の小4男児も、昨年4月に通学先に通級指導教室ができ、週2回通う。母親は「困ったことがあった時に教員が相談に乗ってくれるので親も助かる」と実感を込める。

<通級指導> 軽度の障害を持つ小中学生が通常学級で学びながら、週数回、障害の特性に応じた特別な指導を受ける制度。文科省によると2014年度は全国で8万3750人が通級指導を受けており、内訳は言語障害が41%と最も多く、自閉症15・9%、ADHD14・6%、LD14・3%、情緒障害11・2%と続く。



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