京都 光で水分解、長持ち触媒 京大、

2016年02月14日

京都 光で水分解、長持ち触媒 京大、新たな水素製造法期待

京都 光で水分解、長持ち触媒 京大、新たな水素製造法期待


 水に光を当てて水素と酸素に分解するのに用いる新しい触媒を、京都大工学研究科の阿部竜教授や陰山洋教授のグループが開発した。可視光を利用し、触媒自体の劣化もないのが特徴で、次世代のエネルギー源として期待される水素の製造法の開発につながる成果という。米科学誌で12日発表した。

 燃料電池による発電に用いる水素は、石油や天然ガスから作られるが製造段階で二酸化炭素の発生を伴う。水に太陽光などの光を当てて光のエネルギーで分解し、二酸化炭素を生成させずに水素を作る研究も進んでいるが、触媒も分解してしまうなどの課題があった。

 グループは、ビスマス、ニオブを含み積層構造をした酸塩化物の粉末を水に拡散させて触媒として用いると、可視光を吸収して触媒が劣化することなく水を分解できることを確認した。現状では、水素の生成のために別の触媒を用いる必要があるが、改良によって1種類の触媒で水素の生成も可能だという。

 陰山教授は「今回開発した触媒は、構造の特徴を保てば、ビスマス、ニオブ以外の元素を使うことも可能だと考えられる。さらに分解の効率を高めていきたい」と話している。



kyoto00glo at 06:08|PermalinkComments(0)