京都府 16年度当初予算案 一般会計9639億円 過去最大、

2016年02月12日

京都府 16年度当初予算案 一般会計9639億円 過去最大、少子化対策に重点

京都府  16年度当初予算案 一般会計9639億円 過去最大、少子化対策に重点

 府は10日、2016年度一般会計当初予算案を発表した。前年度当初予算比0・1%増の9639億4500万円と、2年連続で過去最大となった。国の経済対策を盛り込んだ15年度補正予算を含めた「14カ月予算」としては総額9756億5800万円。地方創生の総合戦略を始動させる年として、少子高齢化対策や産業の活性化など幅広く施策を展開する。山田啓二知事は「地域創生という追い風の中で発想を変え、ブレークスルー(突破口)を生み出したい」と述べた。17日開会の府議会2月定例会に提案する。

 ◆歳入

 府税収入は4年連続の増加。景気回復基調が続き、法人2税(府民・事業両税)が前年度当初予算比10・7%増の850億7500万円となった。地方消費税や個人府民税などその他の府税も同6・3%増の2159億2500万円。府税総額で3010億円と同7・5%増だった。課税と消費の場所の不均衡を調整する「地方消費税清算金」が同16%増の1061億7000万円、地方交付税は同2・5%増の1778億円。これらにより、一般財源は同2・6%増の6847億5700万円となった。

 ◆歳出

 性質別内訳では、人件費は前年度当初予算比0・1%減の2823億6100万円。社会保障費など「扶助費・補助費等」は高校生の就学援助や第三子以降の保育料無料化などに力を入れているため同2・2%増の4323億5900万円。前年度当初予算より93億1400万円も増えた。

 目的別では、教育費が2268億7700万円と構成比では最多の23・5%を占めたが、前年度当初予算より0・4ポイント減った。保育人材の確保などに充てる福祉関連の民生費は8・1%増の1582億9300万円で、構成比は16・4%と同1・2ポイント増えた。借金返済にあたる公債費は1199億4800万円で同0・3%増。

 ◆府債

 府債発行は1117億2300万円で前年度当初予算比19%減の見込み。16年度末の府債残高を総額2兆1498億4400万円と見込み、府民1人あたりの借金は83万5000円。府は府債残高が18年度末に府税と交付税等の2倍以下にする目標を掲げ、14年度末に約2・3倍だったものが16年度末には約2・2倍に抑えられる見込み。

 ◆主な事業

 府の地方創生総合戦略の具体化のため▽人づくり▽働きづくり▽地域・文化づくり▽安心づくり?の4本柱で予算編成した。少子化対策では保育士資格の取得や離職防止などのための貸付金制度の創設、「保育人材確保・養成対策協議会」の設置など保育環境整備に37億7400万円を計上。経済対策では、中小企業をグループ化し、設備投資から販路開拓まで一貫して支援する「企業の森」事業に10億6500万円。

 防災では関西電力高浜原発3、4号機(福井県高浜町)の再稼働を踏まえ、災害避難道路の整備促進や、屋内退避施設の放射線防護対策などに7億7700万円を計上した。

 ◆条例

 条例案は新規・改正合わせて28件。新規として「移住促進条例」案があり、府内への移住促進のため空き家や耕作放棄地などを活用するのに必要な事項を定める。

 ◇府教委関連1875億円

 府教委関連では、前年度当初予算比1・19%減の1875億5800万円を計上。2月補正予算を含めると、前年度比1・16%減の1876億3100万円。貧困対策など子どもの未来を守る事業とグローバル人材の育成推進を重点事業にした。府立学校の耐震強化対策事業には7億9690万円を充て、16年度中に耐震化率が100%になる見込み。

 未来を守る事業では、▽経済的に厳しい府内の4中学校区を指定し専門家などを派遣(1300万円)▽小学生の個別補充学習事業を拡充(1000万円)??など。グローバル人材育成では、▽高校生が英語ガイドなどで外国人観光客らをもてなす事業(300万円)▽英語力強化のため中学校教員(100人対象)がTOEICを受験(750万円)??など。TOEICの得点が730点に満たない教員には再試験を受けさせる。

 このほか、▽小中高生への薬物乱用防止啓発の強化(320万円)▽主権者教育のため全府立高で模擬投票を実施(310万円)??などを計上した。【川瀬慎一朗】

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 ◇主な新規・重点事業◇

【人づくり】

 ◇金融機関と協働し、子育て世帯の資金ニーズに低利な融資で対応する「京の子育て 応援総合融資」を創設(10億円)

 ◇京都式「学力向上教育サポーター」事業(8700万円)

【働きづくり】

 ◇小規模企業のリースを支援するなど「小さな企業」特別支援事業(1億3000万円)

 ◇京都ジョブパークの訓練メニューに観光分野を追加し、観光人材を確保・育成(1000 万円)

 ◇舞鶴港を環境・エネルギーの集積港として整備(1億1000万円)

 ◇地域密着型のエネルギー供給事業者の設立を支援(3100万円)

【地域・文化づくり】

 ◇「森の京都博」事業、全国育樹祭開催事業(23億400万円)

 ◇宇治茶のブランド化など「お茶の京都」事業(14億2700万円)

 ◇海の京都博を引き継ぐウオータープロジェクションショーなど「海の京都」事業(6 億200万円)

【安心づくり】

 ◇京都認知症総合センター(仮称)の整備(2億8122万円)

 ◇総合的な治水対策強化緊急事業(172億5000万円)

 由良川・桂川の国直轄河川改修に37億円規模を確保。いろは呑龍トンネル整備に21 億円規模を確保など



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