京都 元職員室でいれたてコーヒー 京都・木屋町のカフェ

職員室にあまりいい思い出がない人も、ここならくつろげるはずだ。黒板に古びた木の床、木の机。玄関を入ってすぐにある空間に、いれたてのコーヒーが香る。

 立誠小が1993年に閉校後、長く「ガラクタ置き場」だったという。5?6年前に住民たちが片付け、演劇やミニコンサートの会場として使うようになった。

 昨年2月、京都国際現代芸術祭「パラソフィア」にあわせ、期間限定のカフェとして開店した。閉幕に伴って一度は営業を終えたが復活を望む声が上がり、数カ月後に営業を再開した。

 コーヒーをいれるのは京都で喫茶店を12年間営んだ経験がある牧野広志さん(49)。元立誠小を運営する住民団体から営業を委託された。「新しいテーブルや椅子を使おうと思ったんですが、小学校だったこの場所の味を生かそうと、すべて学校に残っていた家具を使いました」と振り返る。数え切れないほどの児童を見送ってきた木のぬくもりが、訪れた人々の心を解きほぐす。

 こだわりのコーヒーを注文ごとにいれている。当初は3階の映画館「立誠シネマ」や催しで訪れた人々が立ち寄ることが多かったが、最近は地元住民や観光客も来るという。「みなさん、すごく懐かしい感じと喜んでくれます」と牧野さんは話す。元立誠小は「日本映画原点の地」なので、映画関連の資料が一角に飾られている。

 窓側に面した席からは中庭を望むことができ、住み着いている猫が見える。繁華街にありながら、時の流れが止まったような不思議な時間が優しく包み込んでくれる。

■TRAVELING COFFEE(トラベリングコーヒー)

 コーヒー(300円)のほか、ビールなどお酒もある。原則無休。午前11時?午後8時。20日には、立誠シネマで上映中の映画「ア・フィルム・アバウト・コーヒー」にちなみ、名店のコーヒーを味わえるコーヒーフェスティバルを店で催す。