京都 <’16春節商戦@京都>「おもてなし」で相互理解の場

2016年02月11日

京都 <’16春節商戦@京都>「おもてなし」で相互理解の場

京都  <’16春節商戦@京都>「おもてなし」で相互理解の場

◇嵐山の商店街、餅つきで「めでたい」共有

 ◇百貨店、通訳増員で「爆買い」対応

 中国の旧正月に当たる「春節」が8日から始まり、中国人観光客が大型連休を利用して京都にも大挙して訪れている。「爆買い」の象徴とされてきただけに、待ち受ける百貨店では中国語通訳者を増員した。一方、単に経済効果を期待するだけでなく、この機会に日本の「おもてなし」の文化も併せて知ってもらおうと、工夫を凝らす商店街もある。京都市内の春節商戦を見た。【礒野健一】

 外国人に人気の観光地・嵐山の商店街は、手作りの「おもてなし」で迎えている。周辺の5商店街で作る「嵯峨嵐山おもてなしビジョン推進協議会」は、昨年秋から中国人観光客への対応策を話し合ってきた。春節に焦点を当てた商戦を展開することに「嵐山の雰囲気を壊しかねない」と否定的な意見もあった。だが、「日本の正月の文化を中国人にも知ってもらう場にすれば、互いの文化交流になる」と前向きにとらえることにした。

 中華風の飾りやポスターを商店街の約200店に配布。並行して7、8両日には中華圏でもめでたい行事とされる餅つきをした。ぜんざいを振る舞い、国籍を問わず観光客から好評だった。

 東アジア文化などを研究し、協議会にも参加した関西大社会学部の劉雪雁(リュウシュエイェン)准教授は「今の日本は、突然たくさんやって来た中国人に戸惑っている状態。中国人も日本の文化やマナーに慣れずトラブルも起きている」と分析。「でも、嵐山のように互いを理解できる方法を模索していけば、いずれ『いいあんばい』が見つかる」と期待する。

 京都高島屋(下京区)は、中国でも人気が高いキャラクター「ドラえもん」と「ハローキティ」の商品を扱う特設売り場を設けた。昼に観光し、夕方以降に買い物をする人が多いことから、春節期間中は免税カウンターの店員を午後5時から2人増やし7人態勢にした。店員以外に中国人留学生も補助通訳員として待機させる。

 「時計や伝統産業品などの高額商品から、化粧品などに対象が移り、一人あたりの購入額は減っている。しかし、客数は増え続けている」(広報担当者)と話し、2月の免税品の売り上げ額は前年同月比70%増を目指す。

 ジェイアール京都伊勢丹(下京区)は、特に春節対策をしない。「中国人観光客は年間を通じて多い。中国語対応スタッフも随時増やし、春節だけの臨時増員はない」と説明する。ヨドバシカメラ京都店(下京区)も「日本人客も多く、中国人客だけに特別なことはできない」と、過度な対応はしないという。



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