京都市長に門川氏3選 投票率1・09ポイント減、35・68% 

2016年02月08日

京都市長に門川氏3選 投票率1・09ポイント減、35・68% 

投票率1・09ポイント減、35・68% 京都市長選


京都市長選の投票率は35・68%で、前回の2012年の36・77%を1・09ポイント下回り、過去4番目に低かった。民主主義の危機的な状況が一段と深まった。市議会与党の自民、公明、民主3党が相乗りし、共産党と争う「非共産対共産」の対決構図が変わらなかったのに加え、候補者の政策論争もかみ合わず、有権者の関心が高まらなかったとみられる。

 昨年11月に行われた大阪府知事・市長のダブル選は「大阪都構想」が大きなテーマとなり、投票率が50%を超えたが、京都市長選は市議会の「第三極」が候補擁立に失敗したうえ、目立った争点も浮上せず、実質的に門川市政2期の信任投票となった。

 投票率が30%台となったのは、前市長の桝本頼兼氏が3選した2004年以降、4回連続。行政区別では東山区が前回から3・28ポイント低下したのをはじめ、全11区で前回を下回った。前回は上京区と左京区で40%を上回ったが、今回は全区で30%台にとどまった。

 今回は、期日前投票が12年比1・39倍と大幅に増え、投票者が初めて10万人を超えたが、投票所に直接足を運んだ人は大幅に減り、投票率を押し下げる結果となった。

 京都地方気象台によると、7日の京都市内の最低気温は2・3度で、平年の0・9度を上回ったが、最高は8・0度で平年をやや下回り、寒い一日となった。日中は断続的に雪やみぞれも降り、有権者の出足が伸び悩んだとみられる。

 市長選の投票率は最高が1971年の59・0%で、最低が79年の16・13%。その後は20?40%台の低水準が続いている。

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京都市長に門川氏3選 2新人に大差

任期満了に伴う京都市長選は7日、投開票され、自民党、民主党、公明党、社民党府連が推薦する現職の門川大作氏(65)が、いずれも新人で共産党が推薦する元労組委員長の本田久美子氏(66)、元京都府議の三上隆氏(85)を破り、大差で3選を果たした。門川氏は厚い支持組織に支えられて安定した選挙戦を展開し、前回選より約3万2千票多い25万4545票を獲得。本田氏に倍近い差を付けた。投票率は前回より1・09ポイント減の35・68%で、過去4番目に低かった。

 3期目に向け、門川氏は「133の市民への約束を掲げて選挙を戦った。しっかりと実行し、仕事で市民にお返しをしたい」と決意を述べた。

 政党レベルでは1993年選挙から7回連続で「非共産対共産」の対決構図となった。門川市政の2期8年の評価や中小企業振興、四条通歩道拡幅や景観規制のあり方、福祉の充実などが争点となった。各党は夏の参院選もにらみ、激しい論戦を繰り広げた。

 門川氏は経済界や連合京都、各種団体で構成する「未来の京都をつくる会」を選挙母体に、有効求人倍率の上昇や「保育所待機児童ゼロ」などの実績を強調し、市政の継続を訴えた。

 京都府との協調も掲げ、経済界なども一緒に「オール京都」で文化庁の移転や北陸新幹線の誘致に取り組むとアピール。昨春に大渋滞を引き起こした四条通の歩道拡幅で批判も招いたが、市議会与党の市議らが支えて組織を固めた。

 今後、市の財政状況が厳しい中、いかに財源を確保し、公約を実現するか手腕が問われる。

 開票は午後9時20分に始まり、門川氏は全11行政区で本田氏を上回った。東山区を除く10区で前回から上積みして得票を伸ばした。

 本田氏は共産推薦候補を擁立してきた「民主市政の会」と京都総評で構成する「憲法市政みらいネット」が選挙母体。「戦争法(安全保障関連法)廃止」を前面に掲げたが、国政課題を市長選の最大争点とする手法には批判もあり、支持は広がりを欠いた。「革新市政」を経た1980年代以降、共産が単独推薦した候補では過去最低の12万9119票に終わった。

 三上氏は知人らでつくる「世界平和の会」を選挙母体とし、「京都から世界平和を発信する」と訴えたが、約1万5千票の獲得にとどまった。


▽京都市長選開票結果(選管最終)

当254,545 門川 大作 無現

 129,119 本田久美子 無新

  15,334 三上  隆 無新

・門川 大作氏(かどかわ・だいさく) 1950年、京都市生まれ。立命館大二部法学部卒。市教育委員会に入り、市教育長を経て2008年2月の市長選で初当選。世界歴史都市連盟会長、中教審臨時委員を務める。京都市中京区西洞院通二条上ル。当選3回。


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