京都 和食店の海外進出、鍵は現地流
2016年02月05日
京都 和食店の海外進出、鍵は現地流
京都 和食店の海外進出、鍵は現地流
世界的な和食ブームを受け、京都、滋賀の外食企業が相次いで海外に出店している。人口減少などから国内市場の縮小が進む中、外食産業にとっても外需の取り込みが今後の成長を左右するとみて、てんぷらやとんかつ、ちゃんぽんといった日本の人気メニューで海外市場に切り込んでいる。
天ぷらの圓堂(京都市東山区)は1月初旬、米ロサンゼルス市の高級住宅街、ビバリーヒルズ地域に初の海外店をオープンした。富裕層向けの百貨店やレストランが並ぶ商業地域の一角で、広さは約100平方メートル。北山杉の丸太を使ったカウンターを設け、個室も備えた。
てんぷらは、伝統的な魚介や野菜だけではなく、牛肉やトリュフ、キャビア、ウニなど現地で好まれる高級素材を使っている。コース料理の価格帯は1万8千?2万8千円で、日本に比べ1・8倍だが、高級な料理ほど人気があるという。
遠藤弘一社長は「高級てんぷらは揚げ物とは違い、新鮮な素材と良質な油を使った健康食であることを広めたい」と話し、初年度の売上高は約2億円を目指す。今後も出店を続け、5年後に米国内で5店舗体制にする計画を掲げる。
飲食店経営のフクナガ(中京区)は、京風とんかつ店「かつくら」を中国・上海市で年内に2店舗に増やす方針。2012年に開店した1号店は、来店客1人当たりの単価が2千円前後と高く、売上高も毎年約2割伸びている。成功した要因は現地の需要に対応した品ぞろえだった。中国人は夜間に定食を食べない傾向が強いため、一品料理を幅広く提供して人気を集めているという。
ちゃんぽん店「ちゃんぽん亭総本家」を展開しているドリームフーズ(彦根市)は年内に海外に出店する方針。数年前から東南アジアや欧米で出店場所を探してきたといい、「麺類の人気は海外でも年々高まっている。特に関西風のだしは幅広い年齢層に受け入れられるはず」(管理部)と自信を示す。