京都 御霊神社 御車Tシャツで改修費 氏子離れで 

2016年01月28日

京都 御霊神社 御車Tシャツで改修費 氏子離れで 「親しみ持ってもらえたら」

京都  御霊神社  御車Tシャツで改修費 氏子離れで 「親しみ持ってもらえたら」

本殿や絵馬堂の改修費ねん出のため、京都市上京区の御霊神社(上御霊神社)は、社宝の「御車(おくるま)」を描いたTシャツの授与を始めた。3000円を寄進した参拝者に1着を渡し、寄進分は社殿造営事業に充てる。背景には社会変化による氏子離れなど、神社を取り巻く厳しい現状がある。小栗栖憲英禰宜(ねぎ)(38)は「寄進Tシャツの取り組みで、少しでも神社に親しみを持ってもらえたらありがたい」と話す。

 御霊神社は794年の平安京遷都にあたり桓武天皇の勅願で、非業の死を遂げた桓武天皇の弟、崇道天皇(早良親王)をまつったのが始まりとされる。後陽成天皇から江戸時代初期に御車(牛車(ぎっしゃ))が寄進されるなど皇室とのゆかりも深い。

 かつては京都御所からの御下賜(かし)や、1万世帯と言われる氏子からの寄進で社殿の改修をまかなっていた。しかし、近年では氏子地域の住民の少子高齢化や地方からの移住者も多くなり、氏子離れが深刻化。1973年に境内の本殿や楼門など檜皮(ひわだ)葺(ぶ)きの屋根から費用を抑えられる銅板に葺き替えていたが、酸性雨の影響などからか傷みが激しく、近い将来、修復が必要な状況となっている。

 そこで「ただ寄進をお願いするのではなく、神社としても動こう」と今回の取り組みを始めた。40年ほど前から毎年境内を開放して氏子地域の子どもたちの写生会をしており、昨夏の写生会で小栗栖禰宜が子供たちと一緒に描いた「御車」の絵をTシャツの図案にした。Tシャツの裏には有職桐の社紋を入れ、本殿で祈とうしている。

 「神社は地域と運命共同体。社殿の改修を着実に進めていくためには、多くの人に身近に感じてもらうことが不可欠」と小栗栖禰宜は語る。

 Tシャツは150センチ、S、M、Lの4サイズ。午前9時?午後5時に社務所で授与する。問い合わせは御霊神社(075・441・2260)。



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