京都 「蔵バー」気軽に寺へ 京都の元バーテンダー住職

京都市中京区御幸町通竹屋町下ルの浄慶(じょうきょう)寺で、蛤(はまぐり)御門の変の大火を耐えた土蔵を改造し、バー「Bar(バール)蔵」が不定期で開かれている。営業ではなく、寺の催しの参加者や檀家が利用する。「寺には行きにくい、という人に足を運んでもらいやすくしたい」との願いを込めた。

■「お酒で打ち解けて」

 住職の中島浩彰さん(45)は、「ぶっちゃけ問答」や「アラフィフ僧侶とアダルトな夜」「お寺で宇宙学」などの催しを寺で開催し、気軽に寺へ出入りし、僧侶と出会い、話す機会を持ってもらう催しを仕掛けている。そこで、お酒を飲んで僧侶とより打ち解けて話す時間を作ろうと、土蔵でバーを開くことにした。

 土蔵は幕末の蛤御門の変で焼失からは免れたものの、炎に包まれて内部が過熱されたため所蔵品が使い物にならず、「開けてはならない」と言われていたという。老朽化が進んでいたが、建て直したり取り壊したりする資金がなく、修理にとどめることにした。ソーシャルサイトで修理のことを書くと、仲間が手伝ってくれ、4カ月で完成した。

 蔵の1階にはカウンターがあり、2階席もある。お花の教科書で和とじされた「浪速之?(はな) 全」、寺の報恩講の案内状の版木、炭を使うアイロン、そろばん、菓子重など、蔵の所蔵品でかろうじて使えるものを展示した。

 中島さんは住職就任前にバーテンダー歴が長く、カクテルを作るのはお手のものだ。要望を伝えれば、シェーカーを振って好みの味や香りのカクテルを提供する。「これを機会にお寺と縁の薄かった方にも訪れてもらいたい」と話している。