京都・丹波ロケ、高速道使い続々 時代劇、バラエティー撮影増

京都府の丹波地域が、映画やテレビのロケ地として業界関係者の注目を集めつつある。田園風景を生かして古くから時代劇が撮られてきたが、近年はバラエティーの収録も増えている。高速道路網の整備が完了し、京都、大阪から近くなったことが最大の追い風だ。時代劇の撮影に活用できる公園整備も始まっており、ロケを地域活性化につなげようという機運が高まっている。

 昨年11月、亀岡市千歳町の築300年を超す建物を生かした和食店「へき亭」の門前。藤沢周平原作の時代劇「三屋清左衛門残日録」(2月6日、BSフジ放送)が撮影された。

 スタッフが持参した落ち葉を敷き詰め、台本通りに野良作業できるよう、むしる草を壁際に仮植えした。撮影本番で、白髪の交じったまげ姿の北大路欣也さんが姿を現し、草むしりする男性に声をかける。瞬時に江戸時代にタイムスリップしたかのようだ。

 へき亭近くの丹波国分寺跡では、放送中のNHK連続テレビ小説「あさが来た」の主人公あさ(波瑠さん)と夫の新次郎(玉木宏さん)が雨の中、寺の軒下で自分の思いを素直に語り合う印象的なシーンが撮影された。市内の桂川河川敷でも新次郎が歩くシーンをはじめ、前々作の「マッサン」や映画「超高速!参勤交代」などが撮影されている。

 南丹市美山町の美山かやぶき美術館・郷土資料館では、仲代達矢さん主演の時代劇「果(はた)し合い」(2月7日、時代劇専門チャンネル放送)のオープンセットが組まれた。在阪テレビ局によるバラエティーの撮影も増えている。最近は、亀岡市ではAKB48の横山由依さんが天然砥石(といし)の採掘体験する情報番組や、やくみつるさんが武将明智光秀ゆかりの地を巡るといった歴史番組が収録された。

■公園整備計画

 亀岡市観光協会によると、2013年の京都第二外環状道路(にそと)の全線開通以降、テレビ局などからロケ地に関する相談が増えたという。同協会は「移動時間が短縮され、日帰り撮影のスケジュールが立てやすくなった」と分析する。

 時代劇の撮影に活用できる公園整備は京丹波町に計画されている。2004年に鳥インフルエンザが発生した約4・7ヘクタールの養鶏場跡地を、ロケができる森林公園にする方針だ。東映太秦映画村(京都市右京区)のようなオープンセットを建てるめどは立っていないが、周囲の山林や田園風景を生かしてもらうという。

 東映京都撮影所製作部の高橋剣次長(51)は「京都縦貫自動車道で移動しやすく、合戦シーンなど大がかりな撮影ができるのは魅力的だ。大作とうまくめぐり合ってほしい」と注目している。

■ バスツアーも

 この動きを観光に生かそうと、京都府や丹波・洛西地域の自治体、バス会社などで構成する「京都・西の観光推進協議会」は昨春、丹波2市で計2回のロケ地巡りのバスツアーを試行した。

 案内役を務めたのは、「水戸黄門」のご老公一行にふんした俳優たち。社寺などで小道具や写真パネルを使って撮影の裏話などを説明した。参加者は、俳優による再現シーンを間近で見たり、自ら立ち回りを即興で演じたりして時代劇の雰囲気を満喫していた。

 同協議会事務局の府観光連盟は「旅行会社のツアー企画につなげたい。ロケ地と別のテーマの味覚と連動させるなど今後も提案していきたい」としている。