2018年09月30日
信長築いた旧二条城石垣 「墨書」石仏を展示 京都市考古資料館
信長築いた旧二条城石垣 「墨書」石仏を展示 京都市考古資料館
約450年前に入洛した織田信長が室町幕府第15代将軍、足利義昭のために築いた旧二条城の石垣に使われた石仏の中でも、特に墨書を持つことで知られる阿弥陀如来の石像が、京都市上京区の市考古資料館で展示されている。10月8日まで。
石仏は花崗岩(かこうがん)製で高さ68センチ、幅42センチ、厚さ23センチ。鎌倉時代ごろに制作されたとみられる。左の耳横には観光菩薩、右の耳横には勢至(せいし)菩薩を表す梵字(ぼんじ)が墨書された三尊形式。また、像が座る蓮台や衣のひだも墨で書かれている。
地下鉄烏丸線の整備に伴う調査で府庁(京都市上京区)近辺から出土。同市西京区の洛西竹林公園でガラスの覆い屋根の下に安置していたが、屋外のために墨書に劣化がみられ、今年になって同館が引き取った。
展示されている石仏はクリーニングを施した結果、両耳横の梵字などは字体や読み取りにくいものの、存在そのものは確認でき、蓮台などははっきりと確認できる。
同館ではかつて同公園に並べられていた「清明」の文字が刻まれた石仏も別スペースで展示している。担当者は「2つ石仏を見ながら、覇者となる前の信長の思いや当時の京都の人たちの信仰などに思いをはせてほしい」と話している。
入館無料。休館日は原則毎週月曜日。
kyoto00glo at 06:05│Comments(0)