2017年09月

2017年09月30日

京都 芸舞妓ら秋公演へ総仕上げ 祇園甲部、温習会「大ざらえ」

京都 芸舞妓ら秋公演へ総仕上げ 祇園甲部、温習会「大ざらえ」

( ブログを「引っ越します。

京都を中心にグローカル、世界に目を向けグローバル366GPS APS

このブログは、しばらく、お休みします。


 京都の花街、祇園甲部の秋の公演「温習会」(10月1〜6日)を前に、稽古の総仕上げ「大ざらえ」が29日、会場となる京都市左京区の京都造形芸術大の劇場「春秋座」であった。

 京舞井上流5世家元の井上八千代さんに指導を受ける芸舞妓88人が、精進の成果を披露する。今年は、祇園甲部歌舞練場が耐震化に向けて休館中のため、春秋座で公演する。

 この日、華やかな舞台衣装の芸舞妓たちが、井上八千代さんが見守る中、所作や立ち位置を入念に確かめていた。

 井上流の歴代家元が振り付けた10演目を上演する。初代による女心をあでやかに表現した地唄「黒髪」や、2世が手掛けた上方唄「近江八景」などを日替わりで披露する。

 連日午後4時開演。全席指定8500円。祇園甲部歌舞会075(561)1115。

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「温習会」前に芸舞妓あでやか舞い 総仕上げ稽古、京都・祇園甲部

 京都五花街の一つ、祇園甲部の芸舞妓(まいこ)が出演する京舞井上流の公演「温習会」(10月1〜6日)を前に、総仕上げの稽古「大ざらえ」が29日、京都芸術劇場春秋座(京都市左京区)で行われた。

 祇園甲部歌舞練場(同市東山区)が耐震工事中のため、今年は春秋座で開催。人間国宝で同流五世家元、井上八千代さんらが見守る中、あでやかな衣装の芸舞妓が舞台を彩った。

 今年は初舞台の5人を含む計88人が出演。上方唄「近江八景」や「嵐山」など、さまざまな演目を日替わりで上演し、古都の秋を盛り上げる。 

 午後4時開演で、指定席8500円。問い合わせは祇園甲部歌舞会((電)075・561・1115)。
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京都府 弾道ミサイルが落下する可能性がある場合にとるべき行動について(平成29年9月25日更新)

京都府 弾道ミサイルが落下する可能性がある場合にとるべき行動について(平成29年9月25日更新)
ミサイル落下時の避難施設情報 00


北朝鮮情勢が緊迫しておりますが、弾道ミサイルは、発射から極めて短時間で着弾します。 ミサイルが京都府に落下する可能性がある場合は、国が、Jアラート(全国瞬時警報システム)を活用して、市町村の防災行政無線で特別なサイレン音とともにメッセージを流すほか、緊急速報メール等により緊急情報をお知らせします。(たとえ、日本に向けてミサイルが発射された場合でも、京都府に影響がない場合は音声は鳴りません。) また、メッセージが流れたら、下記資料を参考に、落ち着いて行動をとってください。 詳しくは、内閣官房国民保護ポータルサイトをご覧ください。
◆Jアラートによる情報伝達の文言変更(9月14日)

 ○Jアラート第1報(ミサイル発射情報・避難の呼びかけ)の文言変更(※変更箇所のみ提示)
(旧)「頑丈な建物や地下に避難して下さい」→(新)「建物の中又は地下に避難して下さい」


 ○上空通過の場合の通過情報の文言変更
(旧)「この地域の上空をミサイルが通過した模様です」→(新)「○○地方から○○へ通過した模様です」
 ※○○地方=最後に通過した地域名(例:関東地方)
 ※○○へ通過=ミサイルが向かった方向(例:太平洋)

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http://www.kokuminhogo.go.jp/kokuminaction/index.html

http://www.kokuminhogo.go.jp/kokuminaction/qa.html

http://www.pref.okayama.jp/uploaded/life/530970_4123321_misc.pdf

http://www.kokuminhogo.go.jp/kokuminaction/jalert.html


http://www.kokuminhogo.go.jp/shiryou/nkjalertqa.html
http://www.kokuminhogo.go.jp


http://www.pref.okayama.jp/uploaded/life/530970_4123323_misc.pdf

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万が一に備える? 日本政府、ホームページに弾道ミサイル攻撃を受けた際の避難方法など メモ
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弾道ミサイル落下時の行動に関するQ&A

【情報伝達の概要について】 

Q1
どのような場合にJアラートが使用されるのでしょうか。
A1
全国瞬時警報システム(Jアラート)は、弾道ミサイルが日本の領土・領海に落下する可能性又は領土・領海を通過する可能性がある場合に使用します。

逆に、日本の領土・領海に落下する可能性又は領土・領海を通過する可能性がないと判断した場合は、Jアラートは使用しません。
なお、日本の排他的経済水域(EEZ)内にミサイルが落下する可能性がある場合は、Jアラートは使用しませんが、船舶、航空機に対して迅速に警報を発します。

Q2
実際、どのように情報伝達が行われるのでしょうか。
A2
政府からJアラートにより情報伝達があった場合は、市町村の防災行政無線等が自動的に起動し、屋外スピーカー等から警報が流れるほか、携帯電話にエリアメール・緊急速報メールが配信されます。

詳しくは消防庁のホームページをご確認下さい。
http://www.fdma.go.jp/neuter/topics/fieldList2_1.html

【弾道ミサイル落下時の行動(落下又は通過する前)について】 

Q3
「ミサイルが発射された」との情報伝達があった場合は、どうすれば良いのでしょうか。
A3
弾道ミサイルが日本に飛来する可能性がある場合には、弾道ミサイル発射の情報を伝達し、避難を呼びかけます。

屋外にいる場合は近くの建物(できれば頑丈な建物)の中又は地下(地下街や地下駅舎などの地下施設)に避難してください。

屋内にいる場合は、すぐに避難できるところに頑丈な建物や地下があれば直ちにそちらに避難して下さい。それができなければ、できるだけ窓から離れ、できれば窓のない部屋へ移動してください。

なお、ミサイルが日本の領土・領海に落下する可能性があると判断した場合には、その時点で改めて、ミサイルが落下する可能性がある旨を伝達し、直ちに避難することを呼びかけます。

Q4
「ミサイルが落下する可能性がある」との情報伝達があった場合は、どうすれば良いのでしょうか。
A4
【屋外にいる場合】
近くの建物(できれば頑丈な建物)の中又は地下に避難してください。
近くに適当な建物等がない場合は、物陰に身を隠すか地面に伏せ頭部を守ってください。

【屋内にいる場合】
できるだけ窓から離れ、できれば窓のない部屋へ移動してください。

Q5
どのような建物などに避難すれば良いのでしょうか。
A5
近くの建物(できればコンクリート造り等頑丈な建物)の中又は地下街、地下駅舎などの地下施設に避難してください。

Q6
近くに頑丈な建物又は地下がない場合はどこに避難すれば良いのでしょうか。
A6
近くの建物の中へ避難してください。近くに避難できる建物がない場合には、物陰に身を隠すか、地面に伏せて頭部を守ってください。

Q7
なぜ建物の中又は地下へ避難するのですか。
A7
ミサイル着弾時の爆風や破片などによる被害を避けるためには建物(できれば頑丈な建物)の中又は地下(地下街、地下駅舎などの地下施設)への避難が有効だからです。

Q8
近くに建物又は地下がない場合はどうすれば良いのでしょうか。
A8
ミサイル着弾時の爆風や破片などによる被害を避けるため、物陰に身を隠すか、地面に伏せて頭部を守ってください。

Q9
避難する際には、避難施設として都道府県知事に指定されている建物又は地下施設に避難しなければならないのでしょうか。
A9
避難施設として指定されているかどうかにかかわらず、近くの建物(できれば頑丈な建物)の中又は地下施設に避難してください。

Q10
自宅にいる場合はどうしたらよいでしょうか。
A10
すぐに避難できるところに、より頑丈な建物や地下(地下街、地下駅舎などの地下施設)があれば直ちにそちらに避難してください。それができない場合は、自宅で、できるだけ窓から離れ、できれば窓のない部屋へ移動してください。

Q11
建物内に避難してから気を付けることはありますか。
A11
爆風で壊れた窓ガラスなどで被害を受けないよう、できるだけ窓から離れ、できれば窓のない部屋へ移動してください。

Q12
弾道ミサイルの情報が伝達されたとき、自動車の車内にいる場合はどうすればよいですか。
A12
車は燃料のガソリンなどに引火するおそれがあります。

車を止めて近くの建物(できれば頑丈な建物)の中又は地下(地下街、地下駅舎などの地下施設)に避難してください。周囲に避難できる建物又は地下施設がない場合、車から離れて地面に伏せ、頭部を守ってください。

Q13
車から出ると危険な場合はどうしたらよいですか。
A13
高速道路を通行している時など、車から出ると危険な場合には、車を安全な場所に止め、車内で姿勢を低くして、行政からの指示があるまで待機してください。

【弾道ミサイル落下時の行動(落下又は通過した後)について】 

Q14
「ミサイルは、●●地方から●●へ通過した」との情報伝達があった場合は、どうすれば良いのでしょうか。
A14
政府からの情報について、テレビやラジオで確認してください。

引き続き避難をしていただく必要はありませんが、もし、不審な物を発見した場合には、決して近寄らず、すぐに警察、消防や海上保安庁に連絡してください。

Q15
「ミサイルが●●地方に落下した可能性がある」との情報伝達があった場合は、どうすれば良いのでしょうか。
A15
続報を伝達しますので、引き続き屋内に避難して下さい。
弾頭の種類に応じて被害の様相や対応が大きく異なります。
そのため、テレビ、ラジオ、インターネットなどを通じて情報収集に努めてください。
また、行政からの指示があればそれに従って、落ち着いて行動してください。

もし、近くにミサイルが着弾した場合は、弾頭の種類に応じて被害の及ぶ範囲などが異なりますが、次のように行動してください。
屋外にいる場合は、口と鼻をハンカチで覆いながら、現場から直ちに離れ、密閉性の高い屋内の部屋または風上に避難してください。
屋内にいる場合は、換気扇を止め、窓を閉め、目張りをして室内を密閉してください。
Q16
国民保護サイレン音はどのような時に鳴るのですか。
A16
Jアラートを使用すると市町村の防災行政無線などが自動的に起動し、屋外スピーカーなどから警報が流れますが、この時に原則として国民保護サイレンが鳴ることとなっています。

防災行政無線の設置状況などは、お住まいの市町村にお問い合わせください。

Q17
ミサイル情報を伝達するエリアメール・緊急速報メールの着信音は国民保護サイレン音なのでしょうか。
A17
津波や火山情報などに関するエリアメール・緊急速報メールと同じ着信音です。国民保護サイレン音ではありません。ミサイル情報のエリアメール・緊急速報メールの着信音は以下のサイトをご確認ください。

https://www.nttdocomo.co.jp/service/areamail/disaster_evacuation/index.html

https://www.au.com/mobile/anti-disaster/kinkyu-sokuho/saigai-hinan/

https://www.softbank.jp/mobile/service/urgent_news/about/disaster_info/

http://www.ymobile.jp/service/urgent_mail/disaster_info/

Q18
所有している携帯電話・スマートフォンが、Jアラート作動時にエリアメール・緊急速報メールを受信するか知りたいのですが。
A18
消防庁において、受信可能な機種かどうかの確認方法と、受信できない場合等の対策をまとめて、ホームページに公表しています。こちらをご覧ください。
http://www.fdma.go.jp/neuter/topics/houdou/h29/05/290511_houdou_1-1.pdf

https://emg.yahoo.co.jp 
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【5月9日更新分】


 ◆「弾道ミサイル落下時の行動について(その1)(その2)」
 ◆「弾道ミサイル落下時の行動に関するQ&A」
 ◆[北朝鮮から発射された弾道ミサイルが日本に飛来する可能性がある場合における全国瞬時警報システム(Jアラート)による情報伝達について」
 ◆「北朝鮮から発射された弾道ミサイルが日本に飛来する可能性がある場合における全国瞬時警報システム(Jアラート)による情報伝達に関するQ&A」



【5月11日更新分】
 〇スマートフォンアプリ等による配信サービスの活用



【5月17日更新分】
 〇ミサイル発射時のJアラート鳴動基準
 〇エリアメール・緊急速報メールの着信音


【8月21日追加分】
 〇全国瞬時警報システム(Jアラート)の仕組み

【9月14日更新分】
 ■Jアラートによる情報伝達の文言変更、Q&Aの更新

  ○[北朝鮮から発射された弾道ミサイルが日本に飛来する可能性がある場合における全国瞬時警報システム(Jアラート)による情報伝達について」
  ○「北朝鮮から発射された弾道ミサイルが日本に飛来する可能性がある場合における全国瞬時警報システム(Jアラート)による情報伝達に関するQ&A」
  ○「弾道ミサイル落下時の行動に関するQ&A」

 ■エムネットによる情報伝達のメッセージの変更(市町村等用)の追加

【9月25日更新分】
 ■「弾道ミサイル落下時の行動について」更新
  (文言変更に伴うもの)



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年間購入量は全国1位! なぜ京都市民は、コーヒー&パンが好き?

年間購入量は全国1位! なぜ京都市民は、コーヒー&パンが好き?

京都市は、全国で指折りのコーヒーとパンを愛する街だ。総務省統計局の調べでは、毎年のように年間購入量で全国トップクラスにつけている。

10月1日は、全日本コーヒー協会で「コーヒーの日」と定められた記念日。ここで1つ、古都ならではのカフェを紹介しよう。

学生の数が多いため...?
築100年超の町家が改修されたコーヒースタンド「GOOD TIME COFFEE」が、京都市下京区にある。2015年10月、京都市の空き家活用を促進する事業「空き家活用×まちづくり」の公募でオープンした。

1杯ずつ抽出されるコーヒーの豆は、客自身で3種から選ぶ。メニューは、軽食の「鴨葱サンド」やデザートの「ベイクドチーズケーキ」などだ。運営元・タクマデザイン(大阪市中央区)のプレスリリースによると、同店は地元の食材を使った料理や地ビールも提供している。

総務省統計局の家計調査(2人以上の世帯)によると、京都市はコーヒーの年間購入量で第1位に位置している(2014〜16年の平均)。人口10万人あたりの大学数が最多(同局の「統計でみる都道府県のすがた2017」から)なので、学生や教授がカフェに集まりコーヒーを飲む文化が根付いたのではないか、といわれている。

代表的な店は、名物の「玉子サンド」で知られる「マドラグ」(上松屋町)や、創業70年の老舗「イノダコーヒ本店」(堺町通)などだ。

京都市はまた、パンの年間購入量でも第1位を誇っている(同家計調査の2014〜16年の平均)。京都の職人は朝が早いため、手軽に食べられるパンの利便性が評価されたとする声から、京都市民は真新しい物が好きだからだとするものまで、ネット上ではさまざまな説が浮上している。



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APECの女性起業家グランプリに日本代表の矢島さん

APECの女性起業家グランプリに日本代表の矢島さん

 先日、ベトナムで開催された「APEC女性と経済フォーラム(WEF)」のサイドイベント「APEC Business Efficiency and Success(BEST) AWARD」で、日本代表の矢島里佳氏(29、株式会社「和える」代表取締役 )が「APEC BEST AWARD(大賞)」と「Best Social Impact賞」をダブル受賞した。 

 「APEC BEST AWARD」は、APEC域内における女性起業の関心を高めることなどを目的に、昨年から実施されている。矢島氏が経営する「和える」は、日本文化を現代のニーズに溶け込ませた商品の開発・販売を行い、次世代につなげていくという活動を行っており、そのコンセプトとビジネスモデルが世界共通のベストプラクティスと評価され、受賞に至った。

【対談】山添藤真×矢島里佳

 丹後ちりめんや天橋立でも有名な京都府与謝野町。3年前の選挙で当時、全国最年少町長として当選した山添藤真氏(35)。一方、株式会社「和える」代表取締役の矢島里佳(29)さんは、伝統産業を子どもたちを伝えたいという思いで2011年に起業。今、二人は伝統産業の再興、地方の活性化で協働を始めようとしている。 次世代を担う政治家と起業家が地方の未来について語り合った。

ーまずなぜ町長に?
山添 私たちの町に必要なものは、一歩踏み出す勇気です。昭和50年代以降、地場産業の織物産業が衰退していく過程で、精神的な豊かさが削がれていったのではないかと感じます。一人ひとりが一歩踏み出すことに躊躇した時代があった。私が地元に戻ってきた時もそう感じました。困難な、選挙に出ることによって、少しでも町の人たちの挑戦を後押しできればと考えました。

矢島 精神的な豊かさという言葉がありましたが、町長から見てどう弱って見えたのですか。私は以前から「文化資本」と「経済資本」を“和える”ことが、これからの豊かさだと唱えています。文化と経済の双方が両輪で育み合うことが必要で、そのバランスが大切だと考えています。

「糸へん」産業の難しさ
山添 私たちの世代は、親の世代から「この地域に帰ってこなくていいよ」と言われて育ちました。この言葉に疲弊した心の在り様が見て取れます。子どもたちにずっとそばにいて欲しいというのは親の願いだと思いますが、地場産業の衰退を予見していたことから、子どもたちにそう言わざるを得なかった。私は次世代には「与謝野町は幸せに暮らせる地域だから」と伝えていきたいですね。町長に就任して以降も、IターンやUターンが極端に増えているわけではありません。しかし、合計特殊出生率はこの3年で伸びているので、暮らしやすさは向上しているのかな、と思っています。

矢島 私自身、伝統産業業界に10年間ほど携わってきて、全国の「糸へん」産業、技術はあるのですが、再興させる点では一番難しいと感じます。まず織物は元来着物がベースなので、そもそも日本人が民族衣装を纏わなくなったことで一気に需要が落ちたわけですが、その後も、なかなか洋装の世界にシフトできていません。その一つの要因として、着物は毎日洗うことを想定して作られていないことが大きいと感じます。洋装が主流になってくると、洗うということが日常で行われるため、洗いにくいというのは一つ大きな壁になっているように感じます。

山添 丹後ちりめんの「糸へん」産業でいうと、これまでも和装分野への生地供給がほとんどで、今も全体としては変わっていません。個別事業者の活動としては、洋装、インテリア等に挑戦する取り組みも見られますが、産地全体でみるとごくわずか。現在の生活様式に産業が適応しきれていません。

矢島 能動的に主導権を持って変えていくという状況を、生み出してきれていないのですね。織物に限らず伝統産業全体に言えることでもあるのですが。

保守的になり過ぎると守れない
ー今、矢島さんから「能動」というキーワードが出ました。前へ一歩でることができなかったのは、地域の人の気質もあったのでしょうか?そうではなく、リーダーがもっと旗を振る必要があったのでしょうか。
山添 織物産業の地域内同業者は、取引先もそう大きく異ならないこと等から、ある種の閉鎖性を生み出したのかもしれません。周りが気になり、言いたいことも言いにくく、未来を見据えた決断と実行に取り組めなかった。そのような状況で、政治も新しい選択肢を見出すことは難しかったように思います。

矢島 はじめから集団全体で変わるのは正直難しいと思っていて、まず個々人が変わることから始めるのが実は早いと感じています。2人になれば集団になり、それが3人、4人……と増えていけば、いつの間にか社会全体の動きになり始めます。人間は本能的に生き残る、守るために設計されています。でも実は、保守的になり過ぎることで守れなくなるという逆説的な事が起きてきている。それは過渡期に起こりやすい。どうなるか分からない中で舵を切るのは、経営者として非常にリスクがあるのもわかります。けれども今、大きく舵を切らないと継承できなくなる、ギリギリの時代。私は今、明治維新ぐらいの大きな変革の時代を生きているという感覚です。

「よそ者、若者、馬鹿者」
ー矢島さんのように外部から地域活性化に刺激を与えることは重要ですが、最初の1人、2人は地元の人が旗を振るべきですよね。
矢島 そうですね、やはり外からの人だけでも上手く行かないですし、かと言って、中の人だけでもうまくいくとは限りません。やはり、地域内外の人が共に取り組んでいる地域は、とてもイキイキしているところが多いように感じます。「よそ者、若者、馬鹿者」とよく言われますが、これは本当にそうだなぁと感じます。私もこの内のどれかであり続けたいと思っています。

ー町長は当選した時、全国最年少でしたよね。若さという売りは自分の中でインセンティブとしてあったのですか。
山添 選挙中は全国最年少町長というのを知らなくて、選挙が終わった次の日に新聞記者の方に聞いて驚きました。1700以上の市町村があり、もっと若い人がいるはずだと思っていたので、悲しい気持ちになりました。大きな責任を負っていますが、プレッシャーを感じることなく、日々楽しみながら仕事ができる所以のひとつは、若さにあるのかもしれません。

住民の熱意がいかに宿っているか
ー矢島さんがこの市町村や首長と一緒に仕事をしてみたいと思う基準は何ですか。
矢島 そんな偉そうな立場じゃないですけれど、町を愛している職員さんがお仕事をされている地域、首長になることを目的とされていない方が首長になられている地域ですかね。自分の町をもっともっと輝かせたいという感覚がある方。その上で、どのように輝かせられるかと考えた時に、起業することもできるし、会社員として企業の中だからこそできることもあるし、一つの選択肢として首長という職業も存在するのだと思うのです。山添町長は、町長に就任されてから、この3年間いかがでしたか。

山添 住民基点のまちづくりが重要だと改めて感じています。特に産業政策においてはスタートの段階で住民の熱意がいかに宿っているかによって、事業の進捗が異なります。行政が主導しすぎた産業施策はだいたい上手くいきません。住民の意志や想いをベースに置かなければなりません。

矢島 確かに。行政側が「みんなやろうよ!」と音頭を取りすぎてしまうと、結局主体者が不在になりがちで、誰もやらないという結果につながってしまう。上手くいかない自治体の典型例ですよね。やはり必要なのは元気な民間事業者。自分も楽しみながら地域を想うプレーヤーがどれだけいるかが重要だと思います。職業柄多くの地域を訪問しましたが、元気な自治体には“主体性を持った面白い大人”が必ずいるのです。

世代間のサイクルがうまく循環
ー主体性を持った面白い大人とは年齢的にはどのくらいの世代なのでしょうか。
矢島 30、40代です。彼ら彼女らが引っ張って、その背中を20代が見る。そこにさらに年配の方々が助言をしたり、各世代のつなぐぎの役割を果たす。いわゆる“成功している自治体”ではどこの場所でも、この世代間のサイクルがうまく循環してできあがっているように感じます。

山添 過去から脈々と受け継がれている伝統を、人口構造の中でしっかりと循環させること。この世代間の関係が仕組みとして成立しているのは非常に大事です。与謝野町は人口2万2千人超、面積108平方キロメートルでとても良い規模だと思います。みんなの顔が見える範囲。1人を介せばいろんな人たちがつながる。そう思える「感覚」がとても重要だと思っています。

矢島 私はいろんな地域を回っていて、1万5千〜3万人規模の街が感覚的に心地よいですね。近すぎないけど遠すぎない、みんなで頑張れるような気がする距離感。財源や地域を引っ張るプレーヤーが現われるための人口を考えてみると、それくらいの人口に収まっていることが多いのです。

個人としての独立性と公共性が共存
ーさきほど行政が出過ぎるのは良くない、というお話をされていましたが、逆に強い思いで進めてきたことは何ですか。
山添 「ゴミ袋の有料化」です。与謝野町の美しい自然を、次世代につないでいくことを考えると、ゴミの排出量を減らし、豊かな生活環境を整えなければなりません。そのための施策の一つでしたが、先日議会で否決となりました。住民の負担が増大することが主な理由です。

矢島 えっ、否決になったのですか……?

山添 私たちが繰り返し申し上げたのは、この議案はゴミの減量が第一の目的であるということ。議員の方からは、「財源確保」だったら賛成するというご意見をいただいたのですが、施策の立案意思を貫きました。

矢島 思考過程の違いですね。ゴミ袋の有料化で少しでもゴミの排出量を減らそうと、自然と住民のみなさんが考えはじめる環境を、山添町長は醸成しようとされた。結果として、気がつくと住民一人ひとりが、未来に美しい与謝野町を繋ぐことに貢献しているシステムが構築される。けれども、財源確保のための有料化となると、むしろゴミの排出量を増やしてほしいという意図になってしまう。一見すると有料化するという事実は変わらないのですが、どちらの目的のためにその政策が実施されるのかで、その後に現れる結果に天と地の差が出て来ると思います。

 私自身の仕事は首長さんと似ていると最近感じています。未来のビジョンを描くというよりは未来を見に行くこと、見えている未来を仲間たちに伝えるのが私の仕事だと思っています。その未来が具体的に現場で共有されればされるほど、仕事の進みが早くなり、欲しい未来に早く近づくのです。もう一つ、過去を知ることも大事。未来を見るためには、過去の歴史に目を向けなければならない。それをどう現在につなげるか。この感覚で私は経営をしています。

山添 その通りだと考えます。未来を創造する意志を、私たちがどれほど育めるかで、地域は大きく変化します。地場産業に関しても新たな取り組みを進めています。20代、30代の織物職人を支援する取り組みです。与謝野町で蓄積してきた感性や技術をオープンにするとともに、他産地に赴き、職人さんから技術を学び、課題も共有することで、新しい織物の価値を発信していこうというものです。私が好きな町に、スペインのサンセバスチャンという場所があります。食の都で、飲食店がひしめきあっているのですけれど、あそこはレシピを公開しお互いを高め合う風土がある。つまり、個人としての独立性と公共性が共存している。私たちの町もそうあり続けたい。丹後ちりめんの創業はそのような精神から始まっています。先駆者が習得してきた技術を、学びたい人には惜しげもなく教えていった。そこで個人としても独立していくし、公共としても豊かになっていく。そういう地域は居て、とても心地よい。

全く別の道を考えていた若手
ーそれは職人さんから声が上がったのですか?
山添 そうです。若手の職人さんが中心となっています。40代以上の方々は名のある職人さんたちが多く、グローバルに展開していこうという意識が案外強い。グローバル展開や、クリエイターと職人さんが協働する動きが全国的に広がる中で、実は若い世代は全く別の道を考えていたのです。世界に進出したいわけでも、クリエイターとものづくりを共有したいわけでもない。彼らには「300年の歴史を受け継ぎ、次の300年の歴史をつくる事業がしたい」という想いがありました。日本の産地の中で自分たちにどういう強みがあって、弱みがあるのか。お互いを知り、学び、各産地が補完し合う関係にならなければならない。そのために他の産地とも交流し、情報や課題をみんなで共有し織物業を次世代につないでいこう、という考えです。
 
ークリエイターとのコラボや、グローバル展開などが意外と失敗している例も多いです。
矢島 よくある自治体の失敗例ですよね。「デザイナー、クリエイターを呼んできて、モノを作りました。けれども、デザインしてそこで仕事が終わるとなると、誰も出口の責任を持てないため、職人さんのもとに在庫が残る。」というような。そのような失敗事例を数多く見聞きしてきてたことが、今の和えるのビジネスモデルに繋がっています。ですから、“0から6歳の伝統ブランドaeru”では、私たち和えるが主体者となり、責任を持って商品の企画、開発販売までを行います。職人さんに和えるのオリジナル商品をお作り頂き、全て買い取りさせて頂き、自らの責任で出口も作り皆様にお届けする。三方よしの循環が生まれるビジネスモデルを大切にしています。

山添 若手の職人さんが「そういう事業をやっても在庫を抱えない、売らないでは、ビジネスとしてフィフティーフィフティーの関係じゃない」と言ったことがとても印象に残っています。今ある取引先と、太い関係を構築する方が優先だと。新しいことも芽はあるかもしれないが、“太さ”をどう持つかが大事だと。若い職人さんが地盤をしっかり考えていたことにとても感銘を受けました。若手がこのような発想にたどり着くのは、先輩職人、今の40代が地場産業を盛り上げようと挑戦する背中を見てきたからです。ここにも世代間のサイクルは生まれています。

三代目の生き方と価値観の変容
ー「平成の大合併」があって与謝野町も3つの町が一つになりました。自治体にとって良い面も悪い面もあったと思いますが。
山添 地方のまちづくりの環境が整ってきたように感じます。根本の要因は一人ひとりの価値観の変容です。「売り家と唐様で書く三代目」という川柳があります。これは先代の財産を失う三代目の生き方を皮肉った川柳なんです。しかし、この三代目というのは、自然や愛する人たち、文化を大切にする生き方です。今や私たちは成熟した社会の中で、皮肉ではなく、そういう生き方ができるようになり始めているように感じます。人の価値観が変容していく中で、働き方改革も含めていい流れになってきたなと実感しています。これから日本国内の地域は必ず良いカタチに継承されていくでしょう。市町村合併においては、将来世代から「正しい選択だった」と評価されるように、それぞれの基礎自治体が最善を尽くすことが重要だと思います。

矢島 価値観の変容は「和える」でも、とても大事な要素です。働くことを通して、一人ひとりの価値観が変容していくような組織の在り方、お客様、社会との関わり方、ビジネスモデルの生み出し方をしていきたい。地域社会も同じですよね。与謝野町をはじめ、全国の自治体の方々と一緒になって、「次世代の子どもたちが、人生の豊かさを感じられる日本」を残したいと思っています。


【略歴】
●与謝野町長
山添 藤真(やまぞえ とうま)
1981年生まれ。江戸時代から続く丹後ちりめん織元の長男として育つ。2000年京都府立宮津高校卒業後、フランスに留学。2004年フランス国立建築大学パリ・マケラ校に入学し、都市設計から住宅政策まで、幅広く建築を学ぶ。2008年フランス国立社会学科高等研究員パリ校、2年次終了。2010年から2014年まで与謝野町議会議員を経て、2014年4月与謝野町長就任。
●株式会社「和える」代表取締役
矢島 里佳(やじま りか)
1988年生まれ。職人と伝統の魅力に惹かれ、19歳の頃から全国を回り始め、大学時代に日本の伝統文化・産業の情報発信の仕事を始める。「日本の伝統を次世代につなぎたい」という想いから、大学4年時である2011年3月、株式会社和えるを創業、慶應義塾大学法学部政治学科卒業。世界経済フォーラム(ダボス会議)「World Economic Forum - Global Shapers Community」メンバー、2015年日本政策投資銀行「女性新ビジネスプランコンペティション女性起業大賞」受賞。
METI Journal2017年08月28日

 

【ファシリテーターのコメント】
ニュースイッチのファシリテーターでもある「和える」の矢島さんの活動が海外でも認められました。ますますの活躍を願っています。先日、経産省の公式情報サイト「METI Journal」で京都府与謝野町の山添町長と対談し、そこで地域の未来、日本の未来について語っていますので、ぜひ読んでみて下さい。


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京都 荷物お届け、動くタンパク質にお任せ 京大グループが新システム

京都 荷物お届け、動くタンパク質にお任せ 京大グループが新システム

 細胞内の物質輸送にヒントを得た微小空間の分子輸送システムを、京都大工学研究科の横川隆司准教授や磯崎直人研究員らのグループが開発した。運搬される分子の行き先を決めることができるのが特徴で、医薬品や医療機器の開発につながる成果。米科学誌で28日発表した。

 細胞内では、レールの機能を担う分子である微小管の上を、動くタンパク質キネシンが荷物となる分子を運ぶ。グループは、役割を逆転させた方が作りやすいため、キネシンの上を微小管が動く新たな輸送システムを開発した。

 ガラス基板上に固定したキネシンが、棒状の微小管を「頭上リレー」のように運ぶ。電圧をかけた基板上に、硬さや電気的な性質を変えた2種類の微小管を流し込むと、それぞれが異なる位置を目指して運動することを確認した。微小管に荷物となる分子を結合させることで輸送システムとして機能させることが可能だという。

 横川准教授は「今回のシステムを用いることで、従来よりも微小な空間で特定の分子を検出するセンサーなどを構築できる。今後、より複雑な運動方向の制御法も開発していきたい」と話している。



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「成長の限界」メドウズ氏ら選ぶ 京都・地球環境の殿堂

「成長の限界」メドウズ氏ら選ぶ 京都・地球環境の殿堂


 京都府や京都市、京都商工会議所などでつくる「KYOTO地球環境の殿堂」運営協議会は29日、第9回の「殿堂入り」に、米カリフォルニア大名誉教授のミゲール・アルティエリ氏(67)、米デューク大名誉教授のマーガレット・マッキーン氏(71)、米ニューハンプシャー大名誉教授のデニス・メドウズ氏(75)の3氏を選んだと発表した。

 アルティエリ氏は、生産性が高く資源の節約に適した農業システムを研究する学問分野の「農業生態学」を提唱した。

 マッキーン氏は、森林を共有資源として活用する日本の伝統的な仕組み「入会権」を世界に広め、持続可能な資源管理の研究分野で貢献した。

 メドウズ氏は、経済成長が環境問題に及ぼす影響を予測し、持続可能な資源利用の政策を導くモデルを設計。著書「成長の限界」で日本でも広く知られる。

 地球環境の殿堂は、温暖化防止のための京都議定書が生まれた京都で、地球環境保全に貢献した人をたたえるため09年度に創設。過去8回で国内外18人が殿堂入りしている。

 表彰式を来年2月10日、左京区の国立京都国際会館で開き、アルティエリ氏とマッキーン氏が記念スピーチを行う。

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京都 <KYOTO地球環境>3研究者が殿堂入り


 京都府、京都市などは29日、地球環境の保全に貢献した人を顕彰する第9回「KYOTO地球環境の殿堂」で、3研究者が殿堂入りすると発表した。農業生態学を提唱・実践する米カリフォルニア大のミゲール・A・アルティエリ名誉教授(67)▽コモンズ(共有資源)研究の第一人者として知られる米デューク大のマーガレット・アン・マッキーン名誉教授(71)▽経済成長が環境に及ぼす影響を指摘し、持続可能な社会を提案する米ニューハンプシャー大のデニス・L・メドウズ名誉教授(75)。表彰式は来年2月10日、京都市左京区の国立京都国際会館で開かれる。

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京都・叡電新車両は「ひえい」 深緑色、楕円の飾り窓

京都・叡電新車両は「ひえい」 深緑色、楕円の飾り窓


 京阪ホールディングス傘下の叡山電鉄(京都市左京区)は29日、来年3月にデビューさせる観光列車の愛称を「ひえい」に決め、車両デザインを公開した。比叡山方面への誘客を強化する。

 1両編成の車両を改修し、出町柳−八瀬比叡山口の叡山本線を中心に運行する。新たな観光列車は、鞍馬線で1997年に導入した展望列車「きらら」以来21年ぶり。訪日外国人の増加が続く中、霊峰として信仰を集める比叡山への観光誘客を図る。

 新車両は深緑色で、正面に大きな楕円(だえん)形の飾り窓を配した個性的なデザイン。側面の窓も楕円形で統一し、比叡山の神秘的な雰囲気を表現する。普通運賃で乗車できる。

 叡山電鉄のホームページに10月下旬に特設サイトを開設し、車両情報を順次公開する。



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鬼伝説の山、幻想的に雲海覆う 京都・大江山連峰

鬼伝説の山、幻想的に雲海覆う 京都・大江山連峰


 京都府内全域で今秋一番の冷え込みとなった29日朝、福知山市大江町の大江山連峰を雲海が覆った。千丈ケ岳8合目にある大江山鬼嶽稲荷神社(同町北原)には、日の出前から見物客らが詰め掛け、夜明けの幻想的な景色に見入った。

 雲海は、昼夜の寒暖差が大きい晴天の朝に見られる。京都地方気象台によると、京都市や京田辺市など府内全域で、同日早朝、今秋の最低気温を記録。福知山市では午前5時40分に13・5度となり、前日から約7度下がった。

 風が少なく、前日に雨が降った大江山連峰では、未明から山あいに深い霧が立ち込めた。午前6時ごろ、山の端からゆっくりと太陽が昇り、雲海を照らし始めると、見物客らは眼下に広がる幻想的な光景を眺め、写真に収めた。

 福知山市大江支所によると、標高640メートルにある同神社は雲海の名所として知られ、12月初旬まで楽しめるという。



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消費増税、中小企業対策を重視 衆院解散に京都の経済界

消費増税、中小企業対策を重視 衆院解散に京都の経済界

 衆院解散を受け、京都の経済団体トップは、総選挙で重視する争点として、消費税の引き上げで増える税収の使い道や中小企業の景気対策を挙げた。慌ただしく動く政局に惑わされず、政策を冷静に見極める必要性も説かれた。

■京商会頭「社会保障優先すべき」

 京都商工会議所の立石義雄会頭は、消費増税で生まれる財源の使途について「将来世代への負担のつけ回しを軽減し、社会保障の安定と充実を優先すべき。未来に向けた積極的な投資と財政健全化を両立すべきだ」と注文した。中小企業が景気回復を実感できる経済対策も課題に挙げた。

 京都経営者協会の安藤孝夫会長も、消費税引き上げを最大の争点に位置付け、「少子高齢化に歯止めをかける意味で、単に国の借金を返済するのみならず、子育て支援への使途変更も大いに歓迎する」とコメント。ミサイル発射を繰り返す北朝鮮へのき然とした対応や、中小企業の人手不足解消も求めた。

 京都経済同友会の鈴木順也代表幹事は「生産性向上や子育て・教育支援は、少子高齢化と人口減少の時代に経済成長を実現する上で避けて通れない課題だ」と指摘し、選挙戦を通じて議論が深まることを期待した。

 京都中小企業家同友会の岩島伸二代表理事は「2010年に閣議決定された中小企業憲章に『どんな問題も中小企業の立場で考えていく』とある。それを念頭に、多くの国民が幸せになるため何が必要か熟慮してほしい。真に国民や中小企業の見地に立った諸政策の展開を期待したい」と談話を寄せた。

 めまぐるしい政界の動きに厳しい見方も示された。立石会頭は、野党再編について「急ごしらえの枠組みで政権を担うのに値する政策をまとめきれるのか」と疑問を呈した。鈴木代表幹事は「政局優先ではなく政策の論議と実行を通じて、経済成長が後押しされることを期待する」とくぎを刺した。

■消費税が最大の争点

 衆院が28日に解散され事実上総選挙に突入したことを受け、経済界では「国民がより良い選択ができるよう活発な政策論議を期待する」(大手商社)との声が聞かれた。

 最大の争点は消費税だ。与党が2019年10月に税率を10%に引き上げ、教育無償化などに活用すると訴えるのに対し、小池百合子東京都知事率いる希望の党などは消費を冷やすとして増税凍結を主張している。

 JR東海の柘植康英社長は「予定通り増税しないと財政への取り組みが緩いとの見方が出てくる」と懸念。「上げた分がどう使われるのかはこれから議論されると思う。注視したい」と話した。

 小売業界の関係者は「個人消費の回復が業界の願い。将来への不安を払拭(ふっしょく)し、消費が盛り上がるように社会保障を充実してほしい」と求めた。

 また小池氏が「原発ゼロ」を打ち出し、原発政策を巡っても推進の自民党との対立軸が鮮明となった。大手電機メーカー幹部は「安倍政権が百点満点だとは言わないが、小池氏は有権者に口当たりのいいことを言っている感じもしないではない」と淡々と話す。

 金融市場では解散間際の野党のドタバタ劇に冷ややかな見方が広がる一方、政治の混乱が経済に与える影響に警戒感が広がった。


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<衆院解散>立候補予定者、街頭へ 京都府内の主要政党が談話

<衆院解散>立候補予定者、街頭へ 京都府内の主要政党が談話

 衆議院が解散された28日、府内の立候補予定者らは早速街頭でマイクを握って支持を訴えた。小池百合子・東京都知事らによる希望の党の旗揚げと、民進党の合流が報じられる混乱の幕開け。28日現在、京都の6選挙区では、前職9人、新人11人の計20人が立候補の意向を示している。来月10日公示、22日投開票の日程で行われる選挙に向け、府内の主要政党や経済団体などが談話を発表、事実上の選挙戦がスタートした。(談話は要旨)

 ◆各党談話

 ◇政権持続を問う 自民党府連・二之湯智会長

 今回の解散総選挙は、現にある国難を突破するため解散した。我が国経済は、安定的な経済、緩やかな成長を示しているが、しかし一方、急速に進む少子高齢化や目前に迫る安全保障上の危機など山積する課題があり、それに対応するため、消費税増税分の使途の変更など今後必要となる重い決断を訴え、この国を守り抜く決意で、改めて政権の持続について、国民の信を問うものである。

 ◇対峙する勢力に 民進党府連・隠塚功幹事長

 「森友・加計問題の疑惑」解明に努めることなく、また「北朝鮮の脅威」にさらされているこの時点で解散を断行したことは、安倍政権の延命だけを目的とした解散と言わざるを得ません。こうした政権を打倒するには強力な野党が必要であり、対峙(たいじ)する勢力をつくるために「希望の党」との合流を判断しました。「人が人を支え合う社会」を実現するために、選挙戦を通じて政策を訴えてまいります。

 ◇政権選択の選挙 公明党府本部・竹内譲代表

 衆院選は政権選択の選挙です。北朝鮮の核・ミサイルによる重大な脅威を踏まえれば、自衛隊・日米安保を違憲とする党や、安保政策が不透明な党に日本の未来を託すのか、安定した自公政権を選択するのかが問われる戦いだ。公明党は教育負担を軽減するため、消費税の増税分の使途を教育にまで広げ、幼児教育の無償化、私立高校授業料の無償化、給付型奨学金の拡充などを実現していきたい。

 ◇安倍内閣退場を 共産党府委員会・渡辺和俊委員長

 疑惑隠し、前代未聞の党利党略の解散に強く抗議する。安倍内閣を退場させるチャンス。安倍政治と対決し、市民とともに政治を変える日本共産党が伸びてこそ、政治を変えることができることを力強く訴えていく。安保法制容認、憲法改定を進める新党に政治を変える力はない。幅広い市民との絆を強め、比例代表での躍進、京都6選挙区全てでの勝利へ全力を挙げていく。

 ◇身を切る改革を 日本維新の会府総支部・田坂幾太代表

 仕事人内閣を発足し、森友、加計問題についても国民に対し真摯(しんし)に向き合い丁寧な説明をすると言われていた総理だが、臨時国会冒頭に解散するとは大変残念でならない。政治と国民の有り様は益々乖離(かいり)し、信頼を失う結果とならざるを得ないことを深く憂慮する。我が党は一貫して消費税を凍結し、まずは政治が身を切って改革を行うことを訴えている。

 ◇党利党略解散だ 自由党府連・豊田潤多郎会長

 今回の解散は、森友学園、加計学園の疑惑を隠そうとする党利党略解散である。政府・与党は、三つの大きな過ちを犯している。(1)憲法違反の安保法制を推し進めている(2)使用済み核燃料の処分のめどが立たないまま、原発の再稼働を促進している(3)破綻しているアベノミクスを強行して、国民生活に格差をもたらしている。野党は結集して総選挙に勝利し、政権交代を成し遂げる覚悟である。

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 ◇責任ある議論を 立石義雄・京都商工会議所会頭

 野党再編が進むなど混沌(こんとん)とした状況だが、各党が将来の国のあるべき姿と明確な政策指針を示し、安全保障をはじめ、国民生活の安全・安定と発展に向けた責任ある議論を展開してもらいたい。経済再生は緒についたばかりであり、人手不足が深刻化する中で、生産性の向上や働き方改革が停滞することは許されない。人材確保や事業承継への支援をはじめ、個人消費の拡大策など切れ目のない経済対策が求められる。

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<民進党>「なくなる党に投票来るのか」 戸惑う地方選候補


 民進党が「希望の党」への衆院議員の合流を事実上決めた混乱のさなかに、民進公認で10月1日投開票の地方選挙を戦っている候補者たちがいる。「選挙中にゴタゴタしてほしくないが、受け止めるしかない」。党からの説明もなく、目まぐるしい国政の動きに翻弄(ほんろう)され、戸惑いながらも街頭で声をからしている。

 29日、岡山市中区を「民進党」のロゴマークが入った選挙カーが走り回っていた。市長選と同時に実施される市議補選(中区、改選数1)。新人4人が立候補し、うち1人が民進公認の男性(33)だ。

 出馬表明したのは7月中旬。ところがその2週間後、蓮舫代表(当時)が辞任を表明した。さらに今月下旬に衆院が解散されると、次に「民進解党」のニュース。街頭で有権者に「なくなった政党」と言われ、「投票をためらう人もいるだろう」と不安を隠せない。

 秘書を務める民進の前衆院議員は希望の党に公認申請する意向を示した。選挙戦は残り1日。「いろいろあったが、弱い人のために働くという自分の信念を貫きたい」と声を張り上げた。

 京都府長岡京市議選では、29候補中唯一の新人の民進公認候補の男性(41)が「支持者から『(民進は)どないなってるん?』と聞かれても、はっきりと答えることができない」と嘆く。当選したとしても、民進の議員として活動できるか自分にも分からない。それでも「市議選は、地域の未来について決める選挙。党は関係なく、政策や人となりを見て判断してもらえるはず」と前を向いた。

 鳥取県倉吉市議選でも民進現職2人が街頭で喉をからしている。そのうちの1人の男性(66)は「自分の選挙で手いっぱい。国政の動向を考える余裕はない」と語りつつ、「選挙が終われば、自分の身の振り方も支持者と相談して考えないといけない」と漏らした。

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