2016年12月31日
サムライやニンジャに変身! 京都、外国人向け施設続々
サムライやニンジャに変身! 京都、外国人向け施設続々
京都を訪れる訪日外国人観光客の間で、侍や忍者に仮装するプログラムが人気を集めている。体験型観光のニーズの高まりや、旅行の口コミサイトで高い評価を得ていることが背景にある。市内では専用施設も相次いで開業し、活況を呈している。
2年前、京都市東山区にオープンした「サムライ剣舞シアター」は、伝統芸能「剣舞」の体験や鑑賞プログラムを提供する。羽織袴姿で、剣舞の型や刀の扱いを師範のスタッフが英語で教える。家族8人で訪れた米国人の男性(43)は「本格的な型や衣装を学べて楽しかった」と笑顔で話した。
侍の歴史や武家文化も解説する本格志向で、1時間7千円などの値段設定ながら1日最大50人が参加する繁盛ぶりだ。代表で正賀流剣舞師範の鉤逢賀さん(32)は「日本固有の文化を味わえる点が評価されている」と手応えを語る。
下京区の「NINJA DOJO and STORE」は、伊賀流と甲賀流の忍術を学んだという市川伊蔵さん(44)が忍術を広めようと昨年5月に開店。どんでん返しなどを備えた畳敷きの道場だ。手裏剣や吹き矢の体験のほか、精神統一の九字印や忍び足、刀や武具を使った対戦法を習えるコースも用意する。
直近1年間の来客数は約3600人。伊蔵さんは「歴史や哲学、精神面を含めて真剣に学びたい人が訪ねてくる」と話す。
商機をつかもうと他地域からの参入もある。ホームページやパンフレットの外国語版制作などを手掛けるハイ・パートナーズ(大阪市北区)は10月、伏見区の伏見稲荷大社近くに「忍者堂?Ninjado?和文化体験屋敷」を開設した。改装を施した古民家での体験が売りで、イスラム教徒向けに礼拝用マットを備えるなど、幅広い国や地域からの来客に対応する。
京都文化交流コンベンションビューロー(中京区)は、「旅行様式が物見遊山から体験型へとシフトしていることに加え、海外客の利用が多い口コミサイト『トリップアドバイザー』での評判も人気につながっている」と分析する。
「サムライ剣舞シアター」や「NINJA DOJO 」は同サイトで上位にランクインし、高評価のコメントが多く寄せられている。SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)の流行で、投稿した際に写真映えすることも侍や忍者体験の人気に貢献しているようだ。